目次

  1. 先祖代々の土地、相続対策で不動産賃貸
  2. 父・祖父の死去で発覚 空室率約30% 債務超過だった
  3. 「そうじ」をきっかけに本腰を入れるように
  4. リフォームしても赤字という状況
  5. 既存ポータルではなく独自サイトやSNSでの集客に注力
  6. 自ら動いて現場の声をしっかりと聞く

 山梨県甲府市で代々暮らしてきた長田さん一家。祖父の馨(かおる)さんが先祖から続く土地を相続するには、3億円以上の税金がかかりました。

 そこで1993年に2・3LDKの賃貸アパートを3棟20戸、6年後にさらにワンルーム1棟14戸を建て、不動産賃貸業を始めます。

長田さんの祖父が相続税対策で建てたアパート

 「当時はアパートが少なかったこともあり、経営は順調だったようです。実質の経営が父親に代わるとより盤石に。父は貴金属の小売業なども手がけており、家の暮らしもそれなりに裕福でしたし、まわりから見れば成功している経営者に映っていたと思います」

 ところが2006年の10月のことです。父親が末期の肝臓癌であることが分かり、診断から2カ月後に他界。息子の死にショックを受けたのでしょう。翌月には、祖父まで他界してしまいます。

 家族で今後について話し合うと、重大な事実が発覚します。順調だと思っていたのとは真逆で、近隣に賃貸アパートが建っていったことなどもあり、空室率約30%という状況だったのです。家賃収入は銀行への月々の借入金の返済額よりも90万円足らず、債務超過の状態でした。

 物件を売却しようと考えますが、売却したお金で残債をすべて返すことが難しいことも分かりました。そこで長田さんが事業を承継し立て直すことで、借金を返済していくことを決意します。

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