社内インフラ整備の負担増
生産性の低下を懸念

 新型コロナウイルスを背景に、急速に普及したテレワーク。しかし、中小企業は大企業と比べ、在宅勤務の導入率が大幅に低い傾向です。緊急事態宣言の解除後も在宅勤務・テレワークを継続した(予定含む)割合は、大企業76%、中小企業65%という差が出ています。

 中小企業がテレワークを導入・継続するための課題として、通信環境など社内インフラの整備に加え、パソコンの画面を通じた業務で社内外のコミュニケーションが低下し、生産性が下がらないかを懸念する声が経営者からは聞こえてきます。

テレワークでより鮮明になった個人の「仕事力」

 従来の社員がオフィスに集い、対面での会議を重ねる集団労働的な勤務体系では、個人やチームの役割は明確になっても、「ヒト」が生み出す力によって、仕事のパワーバランスに影響を与えてきました。

 例えば“リーダーシップ”。強いリーダーシップが発揮されると、チームに良い影響を与え、個人の力を通常以上に引き出すことができます。一方、リーダーシップが発揮できていなかったり、チーム内のベクトルが一つに向いていなかったりすると、本来の力を出し切れないケースもあります。

 しかし、テレワークでは、対面での雰囲気やニュアンスという影響は少なくなります。個の役割が明確になり、自分が与えられた仕事を全うできているかどうかが、より問われる時代になりました。業務の「見える化」が発生するため、個人の“仕事力”を見定めるにはテレワーク環境は適しているのかもしれません。

 本来、全てのビジネスは個の仕事が起点となり、それがレンガのように積み重なってプロジェクトやミッションを達成させていきます。実際に顔をつきあわせて進捗を確認していたことが、これからは難しくなっていく中で、会社は個のアウトプットを「見える化」するホワイトボード的機能を用意する必要があります。

 ITを活用することでテレワーク環境でもビジネスをスムーズに進められます。チャットツールやテレビ会議システムなどでコミュニケーションは容易に取れるようになりました。では、個の「見える化」とプロジェクトの「見える化」を達成するにはどうしたらよいでしょうか。

全社間の連絡・資料共有など
そのすべてを一元管理するには?

 1940年に創業したある部品メーカーは、多品種少量生産で事業を展開し、従業員数は1000人にのぼります。主力製品の営業を担当する営業本部は30人規模で100社以上の顧客を抱えていますが、テレワークでの業務に課題を抱えていました。

 例えば、オンライン商談で技術面の質問を受けた時、営業担当が製造部門に電話やメールで確認するものの、すぐにはつながらず、顧客への返答が遅れるという悩みがありました。こうした事態が続けば、確認事項が積み重なってレスポンスが遅れ、顧客の信頼を失い、他社に契約を先行される恐れがあります。この会社では、チャットツールは日常業務でほぼ活用せず、グループウェアも導入はしていましたが、主にスケジュールとファイルの共有に使うのみでした。

 これまでは「誰かに聞く」ことで解決できたかもしれません。しかし、テレワーク環境下では簡単に話しかけて聞くことが難しい面があります。今後はいつでも即座に情報にアクセスでき、あらゆるやりとりや知見が共有され、社内のコラボレーションを活性化させることが鍵となります。

 ウィズコロナを見据え、社内だけではなく、協力会社とのやり取りもオンラインが前提となりました。様々なITツールがある中で、すべての情報の閲覧や更新が可能で、円滑なコミュニケーションも実現できるプラットフォームは希少で、複数ツールの併用もふくめて試行錯誤している企業も多いでしょう。

老舗企業の営業と開発の垣根をなくしたコラボレーションツールQuip

 営業部門と開発部門の間での衝突は、残念ながらどの企業でもよく見られる風景です。そんな衝突はテレワーク環境下においては、企業の意思決定をより難しくさせています。

オンライン環境下でビジネスを円滑に進めるためには、
・オフライン同様気軽に対話できる
という環境を持つことを前提に、
・欲しい情報への簡単なアクセス
・チーム、他部署への共有のしやすさ
など、単一ツールだけでは解決が難しい課題を多数内包しています。そんな課題に直面した老舗部品メーカーは、コラボレーションツールの導入の検討を始めます。なぜ検討するに至ったか、その経緯をお伝えします。