東京都の小池百合子知事は7日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」について、適用を政府に要請することを検討すると表明した。8日の都のモニタリング会議で専門家の意見を聴き、正式に決める。対象地域は23区と多摩の一部を想定し、早ければ8日にも政府に要請する。すでに重点措置が適用された大阪府は7日、「医療非常事態」を宣言した。

 都内では7日、新型コロナの新規感染者が555人確認され、2月6日以来初めて500人を超えた。小池知事は7日午後、この日の感染者数に触れ、「厳しい状況。国に対して、まん延防止等重点措置の要請に向けた準備に入る段階だと考えている」と述べた。

 東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県は、3月22日に緊急事態宣言が解除された後も、4月21日まで飲食店などに午後9時までの営業時間の短縮要請を継続している。22日以降は感染状況や病床の状況をみて対応を検討するとしていたが、宣言の解除から2週間しか経っていないこともあり、「今は様子見段階」(都幹部)として、重点措置適用には慎重な姿勢を取っていた。

 ところが、都は7日の都内の感染者が500人を超えたうえ、大阪府で過去最多の878人の感染が確認された点を重視。大阪では感染力が強い傾向にある変異株が広がり、出張などで首都圏と関西圏との人の行き来は多い。「関西との不要不急の往来を極力控えてもらう」(都幹部)との狙いから重点措置の検討表明に踏みきったという。

 政府も東京都への「まん延防止等重点措置」の適用の検討に入る。菅義偉首相は7日、記者団に「新規感染者数、病床の状況を勘案し、自治体と専門家の意見を伺いながら決定していきたい」と述べた。具体的な要請があれば、速やかに対応する考えだ。

 宣言解除から2週間が過ぎ、政府は「解除後に増えた人出などの影響が出始めるタイミング」(官邸幹部)として、感染の急な再拡大を警戒していた。政府関係者は「増加の速度にもよるが、1日500人が目安」としており、その目安を超えた形だ。

 政府は神奈川、千葉、埼玉からも要請があれば、検討を進める方針だ。自治体の要望を踏まえ、感染状況を見極めながら、重点措置の適用を判断する。神奈川県の黒岩祐治知事は7日、記者団に「現時点では重点措置を要請する段階にはない」と述べた。小池知事から連絡を受けたという埼玉県の大野元裕知事は7日、「現時点で埼玉は動くつもりはありませんと言った」と明らかにした。=朝日新聞デジタル掲載2021.04.07

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