半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災があった棟での生産を、火災発生から1カ月後の19日までに再開する方針を固めた。ただし、出荷量が火災前まで戻るのは6月下旬以降になる見通しだ。

 関係者によると、那珂工場の復旧は連日、1千人以上の態勢で進めている。その結果、生産再開のハードルだったクリーンルームの復旧を、週内にも終えられるめどがついた。新たな半導体製造装置を運び込む作業も近く始める。ただし、調達が5月以降になる装置もあるという。

 半導体を使う自動車メーカーの生産などへの影響を抑えるため、自社の西条工場(愛媛県西条市)や、台湾の受託製造大手などでの代替生産も併せて進める方向だ。

 半導体は、「巣ごもり需要」によるパソコン向けや家電向けの需要増を背景に世界的に不足している。

 那珂工場の火災の影響による日系自動車メーカーの減産規模は最大で240万台にのぼる、との民間試算もあり、回復のペースは今後も注目される。(鈴木康朗)=朝日新聞デジタル掲載2021.04.09