外に立てていたこいのぼりを掲げるポールが、かわいい卓上こいのぼりに生まれ変わる――。そんなコンパクトなこいのぼりを、こいのぼり器具メーカー「三共」(埼玉県川口市神戸)が考案した。子どもが巣立ち、家族が別々に暮らしても、小さなこいのぼりを飾って子どものころの思い出を共有できればとの願いが込められている。

 サイズは全長12センチ、外径3・9センチで、スタンドを含めて高さ7センチ。引き取ったアルミ製ポールを切断し、プレスでうろこを作ったり、目の穴を開けたりといった10の工程を、同社の熟練工が手がける。

 翻るようにゆらゆらと揺れるのが特徴。軽いアルミ製のためバランスをとるのが難しく、うろこの穴などを少しずつ削り取りながら調整する。

 色は黒、赤、青の3色。小さなこいのぼりであること、子どもが生まれた際にお祝いとして小ぶりの守り刀を贈るならわしがあることから「koburi」と名付けた。

 この製品が誕生するきっかけはコロナ禍だった。感染の恐れから親族が集まって端午の節句を祝う機会がなくなったと嘆く顧客の声が届いた。同社の売り上げも3割ほど落ちた。

 家族が会わなくても絆を確かめ合うものがつくれないか。社長の佐藤久恵さんが新製品の開発を模索していたこともあり、プロジェクトが立ち上がった。県産業技術総合センターの協力を得て、「koburi」が生まれた。

 加工できるのは、金型などの関係で外径が3・9センチのアルミ製ポール。一般的な庭用こいのぼりのポールの太さという。加工・発送までおよそ2カ月かかるが、注文が集中した場合はさらに時間がかかる可能性があるという。

 10日まで先行販売をしており、ポール引き取りのための送料や商品配送料を含め、3個セットで2万8800円(税込み)から。専務の林万作さんは「思い出を生かすためにリサイクルにこだわったが、製品だけならもっと安くできる。SNSを使うのも初めてで、すべてがチャレンジ」と話している。

 問い合わせは同社(048・282・5511、ホームページhttp://www.sankyo-pole.jp/)へ。=朝日新聞デジタル掲載2021.05.02