雇い主が働き手に最低限払う時給換算の最低賃金について、厚生労働省の中央最低賃金審議会の小委員会は14日、現在902円の全国加重平均を28円引き上げ、930円にする目安をまとめた。コロナ禍対応で昨年の引き上げ幅は1円だったが、今年は政府の方針も踏まえ、再び上昇ペースが速まる見通しになった。

 最低賃金は中央審議会の目安を参考に、都道府県ごとの審議会が実際の引き上げ幅を決める。通常、目安は物価などをもとに分けたA~Dの地域ごとに示されるが、今回は全地域が28円になった。1978年度に現制度が始まって以来最大の上げ幅。目安通りなら、最も高い東京都が1041円、最も低い県が820円となり、全都道府県の最低賃金が800円を超す。

 最低賃金は2016~19年に年3%の上昇が続いたが、昨年は政府が雇用の維持を優先すると表明。中央審議会も「現行水準の維持が妥当」と答申し、引き上げの流れが止まった。

 今年は菅義偉首相の強い意向もあり、政府が再び「全国加重平均1千円」の早期実現をめざすと表明。経営者側はコロナ禍による宿泊・飲食業への打撃が大きいなどとして、現行水準の維持を求めていた。(山本恭介)=朝日新聞デジタル掲載2021.07.14