もうすぐ本格的な夏がやってきます。炎天下の建設現場で働くみなさんは、た~いへん。そこで、大阪市に本社があるゼネコン「三和建設」がおいしく塩分を取れるゼリーを開発し、売り出しました。名前は「ゼネコンがつくった3Kしおぜりー」。建設現場から熱中症をなくす。そんな悲願からできました。商品名にある「3K」にも、ある思いがこめられています。そして、コロナ禍だからこそ悲願を成し遂げたいと言うのですが……。

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 1947年創業の三和建設は、従業員150人ほどの中小ゼネコン。工場や倉庫、物流センターなどをつくってきた。この会社は5~6年前、こんな方針を立てた。

 建設現場で熱中症を防ぐトップランナーになる!

 さまざまな対策をしてきた。現場のトイレにクーラーをつける。シャワー施設を整え、お昼の休憩で昼シャンできるようにする。

 そして、塩分摂取は市販の塩タブレット、干し梅、たくわんなどで。けれど、口の中の水分がなくなる感じがしたり、味があとあとまで残ったり。現場からの評判があまり良くない。

 そこで、倉庫を建てた縁がある栄養食品加工の「岩瀬コスファ」(東京)と共同で、塩分補給できるゼリーをつくることに。2020年2月にプロジェクトは始まり、その年の夏、三和建設の現場で使った。建設業界に口コミで評判が広がり、販売してほしいという声が寄せられた。

 販売するのだから、おいしさにもこだわった。トマト、キュウリ、しそ、牛乳、ヨーグルト……、いろいろ試作するが、失敗がつづいた。

 そして半年たった21年春、ついに完成した。

 10グラム入りのスティック状で、約0・15グラムの塩分がとれる。味はライチ、ブドウなど5種類から選べる。

 そして、紫外線による肌のダメージも考え、こんにゃくセラミド、コラーゲン、そして、ビタミンDたっぷりという白いキクラゲを配合した。商品名にある「3K」は、この三つの成分の頭文字をとってつけた。建設業界には、きつい、汚い、危険、の3Kイメージが強い。そのイメージをおいしく食べて吹き飛ばしたいという思いがこめられている。(編集委員・中島隆)=朝日新聞デジタル掲載2021.07.19

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