新型コロナウイルス第6波の到来に備えつつ、コロナとの共生を模索する取り組みがスポーツ界で始まった。6日、Jリーグのルヴァン杯準決勝第1戦が行われた愛知・豊田スタジアムで、最大1万人の通常観客とは別枠で、ワクチン接種済みかPCR検査で陰性を証明した観客をいれる「ワクチン・検査パッケージ」と呼ばれる実証実験がスタートした。

 欧米では導入が進んでいる。感染状況による観客制限を受けないものとして、プロ野球やJリーグなどの大型イベントで観客を増やす切り札として注目を集める。

 この日は1800人を対象に1枚500円で販売。午後7時時点で728枚が売れた。専用の窓口が7カ所設けられ、観戦者は目立った混乱なく証明書などのチェックを受けていた。

 今後、Jリーグでは段階的に販売数を増やす計画。プロ野球とJリーグが設置した対策連絡会議の専門家である三鴨広繁・愛知医科大教授は「制限のない通常の運営がwithコロナ時代のあるべき姿。この試みが社会を動かす原動力になるといい」と話す。=朝日新聞デジタル掲載2021.10.06