メカブを「ぺたんこ」に冷凍、保存・解凍お手軽に 気仙沼の企業

ぺたんこメカブでおなかもぺたんこ――? 東日本大震災で工場が全壊し、再建を果たした宮城県気仙沼市の老舗加工業者が、メカブを板状に冷凍した新商品「10秒de(で)おいしいめかぶ」を売り出す。冷凍庫の隙間に入り、解凍も簡単、包装のプラスチックも減らせる「一石三鳥」。腸活で脚光を浴びる三陸の地場グルメを、多くの人に届けたいと意気込む。
作ったのは創業40年の「丸繁商店」。目の前の海から揚がるメカブを職人が海水で釜ゆでする昔ながらのやり方を守り、しゃっきり、うまみたっぷりが自慢だ。
新商品を思いついたのは専務の小野寺薫さん(40)。仙台で建築の仕事をしていたが、震災の2年後にUターンし、父親が興した丸繁商店に入った。メカブの「健康効果」については、よく知らなかった。ところが食べ付けると体調がよく、びっくりするほどお通じの具合が良い。調べると水溶性食物繊維が豊富で、腸活にはもってこいだ。「もっと多くの方に食べて欲しい」と思うようになった。(星乃勇介)=朝日新聞デジタル掲載2021.11.04
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従来品(上)と比べると薄さが際立つ新商品(左)。冷凍庫の隙間に難なく収まる
とかすと普通のメカブに戻る=2021年9月27日午後2時48分、宮城県気仙沼市赤岩港の丸繁商店、星乃勇介撮影
薄いので同じ箱でもたくさん入る=2021年9月27日午後3時3分、宮城県気仙沼市赤岩港の丸繁商店、星乃勇介撮影
丸繁商店の「10秒deおいしいめかぶ」=2021年9月27日午後3時5分、宮城県気仙沼市赤岩港の丸繁商店、星乃勇介撮影
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