コロナ特例延長、審議会が承認見送り 「財源ないまま認められない」

厚生労働省の政策をチェックする審議会は10日、雇用保険のコロナ特例を12月末まで延ばす省令案の答申を見送った。これまで特例の延長案が出るたびに審議会も追認してきたが、特例で支援が拡充された雇用調整助成金の支出が4兆円を超え雇用保険財政が厳しいなか、財源もはっきりしないまま延長を繰り返す現状にクギを刺した形だ。厚労省によると、答申見送りは「異例の事態」という。
審議会では、労使双方の委員から延長を危ぶむ声が出た。経団連の平田充氏は「収入確保策の議論がない中、特例延長のみ諮問されているのは非常に遺憾。本日答申することは適切ではないのでは」と指摘した。連合の冨高裕子氏も「収入確保の具体策が進んでいないならば今回答申するべきではない」と同意した。
厚労省は財源について、今月打ち出す経済対策のなかで手当てすることを調整中だ。財源を示して改めて審議会を開き、委員に理解を求めていくとみられる。(山本恭介)=朝日新聞デジタル掲載2021.11.10
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