政府は昨年末から中断している観光支援事業「Go To トラベル」の再開について、来年1月中旬以降とする方向で調整していることがわかった。旅行代金の割引とクーポン券をあわせて1人1泊2万円だった補助の上限を1万3千円に引き下げるなど、制度の見直しも検討している。

 9月末の緊急事態宣言の解除を受け、コロナ禍で打撃を受けた観光業界からは早期再開を求める声があがっていたが、第6波の懸念もあって年末年始からのスタートは断念した。今後、感染者数の推移や重症化を防ぐ飲み薬の実用化などを見極めながら、再開時期を探る方針だ。

 再開にあたっては高級宿に利用が偏らないよう、旅行代金の割引率を従来の35%から30%に減らし、割引額の上限も1万円に引き下げる案が出ている。宿泊先の地域で使えるクーポン券は旅行代金の15%分だったが、今回は「平日3千円、休日1千円」の定額にして、休日に利用が集中することを避ける方向だ。

 利用者にワクチン接種証明書や陰性証明の提示を求めるなど、感染対策も強化する。事業は5月の大型連休ごろまで全国で実施し、その後は都道府県の判断に委ねることも検討する。まだ約1・3兆円が残る事業費は、今年度の補正予算で積み増しする案もある。

 事業費の一部は、旅行代金の半額(上限5千円)を都道府県が補助する「県民割」にも使われている。政府は県民割が受けられる旅行先を「利用者が住む都道府県内のみ」から隣県に広げることも検討している。(高木真也)=朝日新聞デジタル掲載2021.11.12