携帯電話大手KDDIは29日、大規模な通信障害について3655万人の契約者全員に一律200円を返金すると発表した。9月以降の請求額から差し引く。音声サービスのみの契約者278万人には約款に基づき基本料金の2日分相当額(平均100円程度)も返す。返金総額は合計で約75億円に上り、過去最大規模になるという。

 高橋誠社長がこの日の会見で示した。KDDIの約款では、音声とデータ通信の両方が「全くつながらない状態」が24時間以上続いた場合に返金対象となる。今回は対象外の契約者にも「おわび」として返金することで、利用者の理解を得たい考えだ。

 高橋社長は、自身を含む関連役員9人が報酬の一部を自主返納することも表明した。高橋社長は報酬の20%を3カ月分返上する。

 障害では、2日午前1時35分から4日午後3時まで約61時間、音声通話やデータ通信が利用しづらい状況になった。音声通話で約2316万人、データ通信で775万人以上の延べ3091万人以上が影響を受けたという。

 データを仕分ける「ルーター」の保守作業の際に、手順書を誤って使用したため設定ミスをした。携帯端末などから位置情報を再登録する信号が大量に発生。回線が渋滞状態になる「輻輳(ふくそう)」が連鎖したという。

 今回の障害は、KDDIのauやUQモバイルに加え、回線を提供する格安スマホ事業者にも波及した。全体的に音声通話が利用しづらくなり、119番などの緊急通報ができない事例も相次いだ。物流関連や銀行のATM、気温などを観測する「アメダス」のデータ収集などに幅広く影響が及んだ。

 KDDIは今回の障害が電気通信事業法上の「重大な事故」に該当するとし、総務省に報告書を28日に出している。総務省は8月中にも、再発防止の徹底などを求める行政指導をする方針だ。(杉山歩)=朝日新聞デジタル掲載2022.07.29