パナソニックホールディングスは21日、体に装着して力のいる作業を補助するパワーアシストスーツを開発する子会社「ATOUN(アトウン)」(奈良市)が、奈良地裁から特別清算開始の命令を受けたと明らかにした。命令は7日付。東京五輪・パラリンピックでも使われるなど注目を集めていたが、開発の先行投資を回収できなかった。

 ATOUNは2003年6月、パナソニック(当時は松下電器産業)の社内ベンチャー支援制度を利用して設立された。

 民間調査会社の帝国データバンクによると、21年夏の東京五輪・パラリンピックでは選手団の荷物の積み下ろしや競技機器の運搬にも使われたほか、JALグループの主要空港でも導入事例があった。

 しかし、1台70万円と高価であることに加え、コロナ禍で展示会などが開催できなくなり、売り上げが減少。研究開発のための先行投資を回収できず、大幅な赤字に陥ったという。今年4月の株主総会で解散を決議していた。負債額は21年3月期末時点で約3億5千万円という。(田中奏子)=朝日新聞デジタル掲載2022.09.21