引退した新幹線の座面シートがリビングやダイニングの椅子に生まれ変わる。JR東日本と1940年創業の老舗家具メーカー「天童木工」(山形県天童市)が、今年の鉄道開業150年を記念し、受注生産の「コラボチェア」を共同開発した。

 昨年10月1日に運行を終えたオール2階建て「E4系Max」のシートが使われる。JR東が張り替えや補修のために予備在庫として保管していた。グリーン車仕様のブルーグリーン、普通車1階仕様のトロピコ、普通車2階仕様のトライアングルの3種類の色柄で、生地はポリエステルモケットだ。

 これらを、成形合板を使った同社の既製品で、住宅のリビングに最適のチェア、スツール、ロッキングチェアの座面に張る。足湯が楽しめる新幹線として親しまれ、今年3月に運行を終了した「とれいゆ つばさ」の内装工事の実績をもつ天童木工に、JR東が依頼して実現した。

 共同開発にあたり、JR東日本新幹線総合車両センター(宮城県)の担当者は「椅子に使われたシートは、もう二度と手に入らないもの。私たちの想(おも)いも『次世代に引き継ぐことのできるもの』になりました」とコメント。天童木工の担当者は「新幹線の座席に使われる生地だけに、強度が高く、耐久性に優れている」と評価する。

 最高額は税込みで、チェア6万8200円、スツール11万6600円、ロッキングチェア24万7500円(いずれも送料別)。JR東のECサイト内「東北MONO WEB SHOP」で11月30日まで購入の申し込みを受け付け、在庫がなくなれば販売終了。受け付け開始から3日目の10月16日夕までに完売した品目もある。(辻岡大助)=朝日新聞デジタル掲載2022.10.17