自動車の燃費の向上などを背景に、全国でガソリンスタンド(GS)の数が減り続けている。灯油や軽油も扱い、地域の暮らしを支える重要なライフラインだが、人口減が進む中山間地を中心に「GS過疎地」ともいえるエリアが広がっている状況だ。

 資源エネルギー庁によると、全国のGSの数は2021年度末時点で2万8475カ所。20年度末からの1年間で530カ所(約2%)減った。1994年度末の6万421カ所をピークに減り続けており、ピーク時の半分以下となった。

 GSの減少の要因のひとつが、ガソリンの需要の落ち込みだ。

 電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせたハイブリッド車をはじめ、燃費の良い車種の普及で、ガソリンの国内販売量は減少が続いている。国際的な潮流を踏まえ、政府は「2050年の温室効果ガス排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)」を打ち出している。電気自動車の拡大などもあって、今後もGSの減少傾向は続くとみられる。

 後継者不足の問題も大きい。老朽化した設備の更新時期を迎えるGSでは、多額の改修費用が重くのしかかるためだ。

 資源エネルギー庁の担当者は「若い世代が少ない過疎地を中心に、『自分の代で終わり』として事業承継をしないケースが増えている。燃料が必要なところに届かなくなることが問題だ」と指摘する。

 同庁によると、GSが3カ所以下の市町村は21年度末時点で348市町村にのぼる。12年度末の257市町村から3割以上増えた計算になる。GSが1カ所のみの自治体は89町村。一つもない自治体は群馬県明和町や富山県舟橋村、山口県和木町など10町村あった。 石油元売り大手の出光興産は、給油所を拠点としたカーシェアなどを想定し、超小型電気自動車の量産化を発表。「脱炭素」をにらみ、GSの生き残りをかけた模索が続いている。(柏樹利弘)=朝日新聞デジタル掲載2022.11.26