ガソリン税がとれない電気自動車(EV)が普及した後の税収確保策として浮上している「走行距離課税」をめぐり、政府・与党内で議論が激化している。自民党税制調査会の会合では慎重意見が相次ぐ。ただ、財務省は自動車関連の税収が減れば道路整備の費用が足りなくなるとして危機感を強めており、検討に着手したい考えだ。

 「今から負担の話をすること自体がEV普及に逆行する」。税制改正の中身を決める権限がある自民党税調の11月30日の会合では、こんな反対意見が相次いだ。現時点ではEVの普及だけに注力するべきだと主張。EVの旗振り役の経済産業省も後押しする。

 自動車は取得、保有、走行の各段階で課税される。ガソリン車は走行時にガソリン税がかかるが、EVは走行時の負担がない。EVが普及すると自動車関連の税収が大きく減ることを懸念し、財務省が検討候補としているのが「走行距離課税」だ。

 自民税調では「税金はしっかり払ってもらい、インフラ整備を進めるべきだ」と検討に賛成する意見も出た。財務省は「税負担の予見可能性が確保されるよう、方向性を示すべきだ」との立場だ。EV普及後を見据えた措置として、導入の是非を含めた議論を早期に始めることをめざす。

 12月中旬に与党がまとめる税制改正大綱に、今後の検討課題として書き込まれるのか、それとも見送られるのか、注目が集まる。(筒井竜平、千葉卓朗)=朝日新聞デジタル掲載2022.11.30