目次

  1. 祖父の佃煮づくりが小豆島の佃煮産業のはじまり
  2. 「この生涯でやるべき仕事はなんだろう」
  3. コロナ禍を機に事業承継 経営計画を見直し
  4. 新桶でグルテンフリーの醤油を開発 輸出開始
  5. 「じっくりと売ってくれる企業と取り引きしたい」

 香川県の小豆島で醤油、調味料、惣菜、佃煮事業を手がけるタケサンは複数のグループ会社を持つ、島の産業を支える会社の一つです。1945年にタケサンの前身となる武部吉次商店を始めました。年商はグループで30億円弱、全体の従業員数は150人です。

タケサンの前身となる武部吉次商店の創業時の様子(タケサン提供)
タケサンの前身となる武部吉次商店の創業時の様子(タケサン提供)

 タケサンは武部さんの祖父である吉次さんが創業しました。終戦直後の深刻な食糧難の時代に、小豆島の特産品である醤油を使った佃煮づくりに着目し、島内で栽培が盛んだったさつまいもの蔓を醤油で炊き上げました。

 1945年から阪神地方への出荷をはじめ、これが小豆島の佃煮産業の始まりとなりました。

 「祖父は別の醤油会社で専務をしていたのですが、戦後、佃煮を閃いて、新規事業として始めました。自分でも会社を興してスタートしたことがタケサングループの始まりです」

 佃煮から始まり、食品問屋を始め、醤油を事業として立ち上げたのは1966年、吉次さんが65歳ごろのことでした。

 武部さんが家業に戻るきっかけは2011年の東日本大震災でした。

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