目次

  1. 商標権の登録査定とは
  2. 商標登録後に弁理士から連絡
  3. 商標登録後に注意すべきポイント
    1. 更新手続き
    2. 商標の活用
    3. 商標の維持
  4. 日本茶カフェの商標使用の問題点
  5. A社長はどう対応するべきだった?

 登録要件をクリアした商標や、応答によって拒絶理由が解消された商標には「登録査定」が通知されます。この通知を受け取ってから30日以内に登録料を納付すれば、手続きは完了です。

 「登録料」の納付方法には「10年一括納付」と「5年分割納付」の2通りがあります。「5年分割納付」が活用されるのは、使用する商品の製品ライフサイクルが短い場合です。分納によって初期費用を抑えつつ、商品の売れ行きを見ながら使用の継続について検討することができます。

 5年後の後期分納をしなければ権利は消滅するので、使用を継続する場合には納付期限に注意しましょう。5年ずつ分納するよりも10年一括納付する方が登録料の総額は安くなるので、あらかじめ長期間使用することが分かっている場合は一括納付をお勧めします。

商標登録出願の流れ(引用元:特許庁 2022年度知的財産権制度入門テキスト 第4節 商標制度の概要)

 ここからは、商標登録後に適切な使用を怠ったために、商標を取り消されてしまった、日本茶カフェ運営のA社長の事例を紹介します(※個人情報の特定を防ぐため、一部の内容は加工・修正しています)。まず、A社長の事業と商標出願の経緯は下記の通りです。

  • 創業40年の日本茶販売店
  • インバウンド客の増加を契機に、3年前から日本茶専門のカフェを始めたところ、とても好評で売り上げも順調に増加
  • 商標権は必須と聞き、カフェの構想段階で弁理士に商標登録出願手続きを依頼。無事にカフェの店名を商標登録
  • 商標は上段にひらがなで「●●」、下段にアルファベットで「△△」と2段書きで表記
A社の商標イメージ(本文をもとに編集部作成)

 しかし、商標登録から4年ほど経ったころ、出願手続きを行った弁理士から電話がありました。

弁理士:A社長、4年前に登録した商標ですが、ちゃんと使っていますか。

A社長:先生、当然使っていますよ。カフェも好調です。何かありましたか。

弁理士:実は、同業他社から不使用取消審判を起こされ、特許庁から審判の代理人を受任するかどうか聞かれまして…。大丈夫だとは思いますが、以前に注意した点をちゃんと守っていますよね。

A社長:たしか「登録された商標を使用すること」でしたっけ。

弁理士:そうです。今からそちらにお伺いして確認します。

《しかし、1時間後に到着した弁理士は、お店の看板を見てがくぜんとします》

弁理士:あれほど言ったのに…。

A社長:先生、何か問題でもあるのですか。ちゃんと使っているではありませんか。

 A社長は、登録された商標をきちんと使用しているという認識でしたが、一体何が問題だったのでしょうか(詳細は最終章で解説します)。

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