雑貨屋から父の代で「地酒屋」に特化

――小さな頃は家業の酒屋「弥生商店」をどんな風に思っていましたか?

 幼い頃は酒屋というよりも、村や集落に何軒かあった雑貨屋のイメージでした。冷蔵庫にタコやウィンナーがあり、棚には洗剤・お線香が置いてある中に、お酒やビールも売っているお店でした。

――いつ「地酒専門店」に切り替わったのでしょうか。

 弥彦村のある西蒲原郡にはディスカウントストアの進出が早く、ビールの値段が安い店が多かったんです。専門性が高くないと足を運んでもらえない、生き残っていけないと考えた父・羽生信二の代で、「地酒専門店」に事業転換したと聞いています。

――「後を継ぐ」ことを意識したのはいつでしたか?

 自分は長男で、色んな方から「酒屋になるんだろう」と言われ、完全に刷り込みでしたね。父から「継いで」と言われたことはありませんでしたが、暗黙の了解というか。むしろ母の方がはっきり言っていた気がします。
 中学生ぐらいから、「お酒の造り方が分からないのにこの道に進むことはできないな」と感じるようになりました。

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