目次

  1. 無人駅のにぎやかな場所 「食業」掲げる伊豆沼農産
  2. 創業者の思いを引き継ぐ「よそ者」
  3. わざわざ訪れたくなる 伊豆沼農産体験プログラム
  4. コロナ禍で「体験」を大打撃 よそ者仲間の意見が欲しい
  5. コロナ禍に自分一人ではできないことができた
  6. 「よそ者」の目線で生み出す新たな価値
伊豆沼農産の周辺
伊豆沼農産の周辺

 宮城県仙台市から北へ70km、仙台駅からJR東北本線で約1時間。ワンマン電車が行きついたのは、渡り鳥の飛来地としてラムサール条約登録湿地として知られる伊豆沼がある無人駅・新田(にった)。駅からメイン通りを500mほど歩くと、にぎやかな声が聞こえてきます。

渡り鳥の飛来地としてラムサール条約登録湿地として知られる伊豆沼
渡り鳥の飛来地としてラムサール条約登録湿地として知られる伊豆沼

 そこが伊豆沼農産の運営する「くんぺる直売マーケット」と「くんぺる農場レストラン」です。

 直売マーケットで新鮮な食材を楽しめるほか、手づくりウインナーや生ハムオーナーなどの体験もできるようになっています。

地元や観光客でにぎわう「くんぺる直売マーケット」
地元や観光客でにぎわう「くんぺる直売マーケット」

 創業者の伊藤秀雄さん(67)は、18歳の時に父親の突然の死をきっかけに農業の勉強を一切にしないまま、1988年に養豚と稲作の複合経営をスタート。

 「大規模農業」を目指して動き出しますが、どうしてもぬぐい切れない大きな疑問がありました。

 「自分で育てた豚が、どのような形でお客様の口にはいるのか知らなくていいのか」「どうして自分たちで育てた作物に値段や価値がつけられないのか」ということです。

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