目次

  1. リーマンショックで異動命令も「もう1年」
  2. ビジネスモデルの変革 変わる営業の役割
  3. カリスマ創業者から「次の社長をやってくれないか」
  4. 二人三脚経営 わずか16日で閉幕
  5. 暗くなる社内 ムード変えた「負けられない戦い」
  6. 創業者から受け継ぐ理念から3つの具体策へ
    1. 創業者の言葉から掲げた経営理念
    2. 会社への意見箱
    3. 「税金のかからない資産の蓄積」というビジネスモデル
  7. かなわなかった夢 次の世代へ

 山﨑さんは国立福井大学在学中、知人とともに居酒屋を開業すると大繁盛。現場のチーフとして働き続けていましたが、26歳になり関東で働きたいという思いから福井を離れ、テクノアの東京支店に就職します。そこで営業職として頭角を現し、2004年から毎年トップの成績を取り続けます。

 そして2008年、34歳の若さで基幹事業「TECHS」を販売する生産管理事業部の事業部長に昇進しました。

 部下70人を抱え「さあやるぞ!」と張り切っていた山﨑さんに、突然試練が訪れます。リーマンショックです。就任するまで右肩上がりだった業績は、一変。当時9億円だった事業部の売上高は2年で7億円にまで減少しました。

 当時の大道等社長から別の事業部への異動を打診されましたが、山﨑さんは「もう1年だけTECHS事業部長をやらせてください!」と懇願しました。どうしてもやり遂げたかったことがあったのです。

TECHSの画面
TECHSの画面

 それは、TECHSのビジネスモデルの変革です。大道社長と一緒に、従来の代理店販売からユーザー直販に転換を進めていました。直販なら不況下でも、自分たちの創意と工夫で乗り切ることができるのではと考えていたのです。

テクノア創業者の大道等さん(左)と山﨑さん(2010年当時)
テクノア創業者の大道等さん(左)と山﨑さん(2010年当時)

 それにはセールストークから変える必要がありました。代理店の営業担当の代わりに自分たちでTECHSの価値やメリットをユーザーに直接伝えないといけないのです。

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