LINEをレジに変えるAtouch マルチ計測器が目指す「親指で完結」
(最終更新:)
マルチ計測器の取締役営業部部長の俵積田将さん(右)とAtouchを担当する営業部企画課の渡辺郁さん。マルチ計測器は東京本社のほか、大阪市に営業所、千葉・福島両県に工場がある。従業員は関連会社も含め200人。(植原みさと撮影)
LINEのトーク画面で商品を選んでそのまま決済まで完了できるツール「Atouch」。電気設備の点検などで活躍する計測器・試験器を手がける「マルチ計測器」(東京都千代田区)が導入したところ、アナログな発注方法からの切り替わりが進み、2024年は2200万円超の売上高となりました。「親指で完結する」注文の実現だけでなく、今後はLINE上の相談からピッタリな機器をオススメできるような改良も検討しています。
微弱な電流もキャッチできるセンサーに強み
AIが日常に浸透し電力使用量を増えていくなか、適正な電気使用のためには、適正な計測とメンテナンスが必要です。マルチ計測器は、1986年の設立以来、電気の安全を守る電気保安員の保安作業に役立つ計測器、電気の使用量を正確に計測する電流センサーを世に送り出してきました。
高圧受電設備(キュービクル)の模型とクランプメーターの利用イメージ
たとえば、ビルや工場にある配電盤や分電盤の電流を測定する機器の一つが、「クランプメーター」です。先端のクランプ部分で電線に触れることなくセンサーではさむことで、電気を止めることなく、漏電がないかを測定できます。
取締役営業部部長の俵積田将さんは「弊社の強みは、微弱な電流も計測できるところにあり、漏電の発見などに貢献しています」と話します。
また、家庭やオフィスでの省エネ意識が高まるなか、リアルタイムの消費電力が分かる機器にも、全国何十万個単位で、マルチ計測器の電力センサーが組み込まれています。
マルチ計測器が取り扱っている製品例。高圧受電設備は通常は毎月点検することが義務つけられているが取り付けると点検頻度を隔月に緩和できる絶縁監視装置(右下)などが最近注目されている
注文は電話やFAX 郵便振替での支払いだった
マルチ計測器の製品を扱うのは、高圧で受電する電気設備の保安管理業務の委託を受けている「電気管理技術者」という現場の専門家たちです。全国に約5000人とつながりを作っているのが各地域の営業担当です。
これまでは、営業担当者の電話に直接電話で注文が来ると、事務所に戻って見積書をFAXで送って、無事受注できれば、工場から製品といっしょに郵便振替を同封し、期限までに入金がなければ、経理担当が確認の電話をして……という業務の流れでした。
導入経緯について話す俵積田さん
俵積田さんは「業務負荷が高く、社員のみなさんの負担を下げられないかと考えていました」と振り返ります。そこで、ECの活用を考えましたが、40代以上の購入者が多いため、どこまで普及するだろうかという心配もありました。
決め手は「LINE」
何か良いツールはないかと探していた2023年、東京ビッグサイトで開催していた展示会にも足を運びますが、なかなかピンとくるツールが見つかりません。
もう帰ろうかと出口に向かおうとするときに、ちょうど目に留まったのがIRISデータラボの「Atouch」の展示ブースでした。
「これはいけるかもしれない」。直観でそう感じたのは、LINEのトーク画面で商品を選んでそのまま決済まで完了するという操作性の良さでした。「LINEであれば、年代と問わず、多くの方に使っていただけるのではないかという期待もありました」
Atouchによる販売動線
そこから導入効果を1年かけて慎重に検討し、2023年末から導入しました。マルチ計測器の製品は、指名買いしてくれるリピーターが多いことも考え、マルチ計測器の公式サイト上のそれぞれの商品ページからAtouchで購入できるようQRコードを設置しました。
マルチ計測器の公式サイトは、商品紹介だけでなくAtouchへの導線もつくっており、実際に購入されている
Atouch導入で得た手応え
普及するためには、まず知ってもらうことが必要です。各地域の営業担当の力も借り「LINEでも購入いただけるようになりました」とさりげなく案内したり、LINEの友だち登録してくれたら10%OFFクーポンを発行したりし、地道に案内を続けました。
2024年1月は2件しか注文がありませんでしたが、徐々に購入者が増え、12月のキャンペーンも含めて1年間で2200万円超の売上高につながりました。2025年に入ってからは毎月継続して十数個ずつ購入されています。
売上につながっているだけでなく、2024年末のセール時には、407件の注文があり、このうち、Atouch経由の注文が57件に上りました。郵便振替用紙を同封する手間が省けるようになったほか、購入者への入金確認の業務を約14%減らすことにつながったといいます。
Atouchの運用画面
Atouchを実際に操作している営業部企画課の渡辺郁さんは、普段はガラケー(フィーチャーフォン)のため、私用携帯にはLINEをインストールしていません。
「それでも分からないところはほとんどありませんでした。クーポンの設定方法など困っときにはメッセージ機能で問い合わせるとすぐに返答がありましたし、サポートはしっかりしていました」
購入者とのつながりも大切にしようと、発送する製品には「ご購入ありがとうございます」というメッセージカードを同封するなど現場発の様々なアイデアにも取り組んでいます。
製品に同封するメッセージカード(マルチ計測器提供)
「何よりお客様のために」
LINE友だち登録者が800人を超え、手応えを感じている俵積田さん。「何より良かったのが、お客様にメリットを感じていただける機能です」
カード決済で購入できるようになり、さらに別のECサイトに遷移させることなく、LINEのトーク画面から決済できるため、購入までの負担を大幅に減らすことができました。
また、これまでは購入者から、運送会社の荷物問い合わせシステムで利用するための「送り状番号を教えてほしい」という問い合わせ電話がかかってきていたのですが、Atouchは「送り状番号」を画面で確認できるようになりました。これまでは領収書を別送していたのですが、いまはAtouch上で自動発行できます。
「少し大げさかもしれませんが、ご購入者様の様々なリクエストが親指一つで完結できるようになりました」
Atouchには、マルチ計測器が利用している機能のほかにも、行動分析機能、LINEトーク画面上の決済機能、買い物履歴の可視化機能、かご落ち対策(リマインドメッセージ)機能、購入、配送完了メッセージ通知、個別トーク機能があります。
なかでも、俵積田さんが導入できないか検討したいのが「LINE上での接客強化」です。たとえば、LINEのトーク画面で、利用者から現場写真とともに「この現場のこの用途に使える機種を教えてほしい」といった問い合わせがあった場合、商品情報を直接LINEで送信し、購入につなげられる可能性があるためです。
マルチ計測器の経営理念は「あたらしいをつくる」。これからも利用者のよりよい体験を「つくる」べく邁進しています。
LINEを“接客できるレジ”に変える。Atouchは、LINEトーク内で「接客→商品提案→購入→アップセル・クロスセル」までを完結できる、次世代の購買体験プラットフォームです。2022年10月の正式リリースから導入が加速し、すでに800社以上が活用しています。
Atouchの問い合わせはこちら
Atouchの特徴 会話の流れを保ったまま商品選択へ
最後に、Atouchを開発したIRISデータラボの安達教顕代表取締役社長に強みについて聞きました。
これまでのECは、商品を“売る”ことに最適化されてきました。
しかし、そこに“接客”という要素はほとんど存在していませんでした。
Atouchは、LINEのトーク画面の中で商品提案から決済、発送連絡、領収書の発行まで、すべてを完結させることで、「会話=購買」という新しい体験を実現しています。
重要なのは、ユーザーにページ遷移やログインといった“別の行動”を強いないこと。
会話の流れの中で完了するから、熱が冷めない。買い手と売り手が“つながったまま”、気持ちよく完結できるのです。
購買体験を、もう一度、会話からつくりなおす。
私たちは、そんな未来をLINEの中に実装しています。
IRISデータラボの会社概要
IRISデータラボ株式会社は、コロナ対策のLINE公式アカウントをはじめ、多数のアカウントをサポートしてきた、LINE活用のプロフェッショナル集団です。
その経験を活かし、2022年10月にLINE公式アカウントに対応したAPIツール「Atouch(アタッチ)」をリリース。これにより、企業はLINEのトーク画面上で商品陳列や決済が可能となり、顧客はIDやパスワードなしで購入を完了できます。
さらに、2024年度にはデジタル電子チケットの販売やライブコマース機能「Atouch Tig」を導入し、「ECを、もっと、みんなのそばに。」という理念のもと、エンドユーザーへの価値提供を強化しています。
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提供 :IRISデータラボ株式会社
企画/制作 :朝日インタラクティブ株式会社 営業部
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