目次

  1. 国交省のリフォーム支援制度の特設サイト
  2. リフォームの補助制度、国と地方の二本柱
    1. 既存住宅の省エネリフォームの「住宅省エネ2025キャンペーン」
    2. 長期優良住宅化リフォーム推進事業(2025年度事業)
    3. 地方自治体の補助金
  3. 減税制度は住宅ローン減税とリフォーム促進税制
    1. 住宅ローン減税(増改築)
    2. リフォーム促進税制
    3. 減税制度の併用
  4. 事業者が活用できる補助機能

 国交省は、特設サイト「リフォームをお考えの消費者の方」と、特設サイト「リフォーム事業者の方」を開設しました。

 リフォーム促進税制(所得税・固定資産税からの減税)、子育てグリーン住宅支援事業、リフォーム瑕疵保険といった支援制度の周知が目的で、支援制度の概要やリフォーム減税制度のシミュレーションツールを載せています。

 このなかからポイントを絞って整理します。

 リフォームを検討する顧客にとって、補助金は最終的な支出を抑えられることに役立ちます。補助制度は「国」と「地方自治体」の二本柱があり、国の補助金として、既存住宅の省エネリフォームにおける3省(国土交通省・経済産業省・環境省)連携事業の「住宅省エネ2025キャンペーン」と、長期優良住宅化リフォーム推進事業の2つがあります。

 既存住宅の省エネリフォームにおける3省(国土交通省・経済産業省・環境省)連携事業「住宅省エネ2025キャンペーン」は、高性能な断熱窓の設置、高効率給湯器の導入、開口部・躯体等の省エネ改修を支援します。

  • 先進的窓リノベ2025事業: 高性能な断熱窓の設置に対し、最大200万円/戸の補助
  • 給湯省エネ2025事業: 高効率給湯器の設置に対し、最大20万円/戸の補助。既存賃貸集合住宅におけるエコジョーズ等取替には最大10万円/戸
  • 子育てエコホーム支援事業: 既存住宅の省エネ改修に最大60万円/戸、子育て対応改修などその他のリフォーム工事に最大60万円/戸の補助が出ます

 これらの事業への申請は、事前に登録を受けたリフォーム業者などが行います。

 この事業は、「長期にわたり良好な状態」で住み続けるためのリフォームを支援します。

  • 認定長期優良住宅型: 所管行政庁から長期優良住宅(増改築)の認定を受けることで、160万円/戸等の補助が受けられます。
  • 評価基準型: 劣化対策、耐震性、省エネルギー対策などについて一定の基準に適合することで、80万円/戸等の補助が受けられます。

 補助対象費用には、インスペクション費用、リフォーム履歴の作成費用、維持保全計画の作成費用に加えて、劣化対策、耐震性、省エネルギー対策などの工事費用が含まれます。さらに、三世代同居対応改修、子育て世帯向け改修、防災性・レジリエンス性向上改修も対象となります。

 地方自治体の補助金は、自治体ごとに異なります。事業者は、顧客が居住する自治体の制度を個別に検索し、活用を促すことが重要です。

 自治体の補助金を探すには、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「支援制度検索サイト」が便利です。

 減税制度は、リフォーム費用の一部を税金から控除・減額する制度で、補助制度と併せて大きなメリットがあります。減税制度には「住宅ローン減税(増改築)」と「リフォーム促進税制」の2種類があります。

 10年以上の住宅ローンを利用してリフォームを行った場合、最大10年間、各年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税額、住民税額から控除する制度です。対象工事の費用(補助金を引いた金額)が100万円以上の場合に適用可能です。

 この制度は住宅ローンの有無にかかわらず活用でき、所得税と固定資産税の両方で減税が可能です。①減税を受ける方、②対象の住宅、③工事内容、④工事金額の4つの要件を確認しながら手続きを進めましょう。

所得税で住宅と減税適用を受ける方とその住宅の要件表
固定資産税で住宅と減税適用を受ける人とその住宅の要件表

 リフォーム促進税制には、耐震、バリアフリー、省エネ、三世代同居対応、長期優良住宅化、子育て対応の6種類の減税制度があります。これらの工事では、原則として標準的な工事費用相当額の10%が所得税額から控除されます。

 控除対象金額には上限が設けられており、例えばバリアフリーリフォームは200万円、耐震・三世代同居対応・子育て対応は250万円、省エネは250万円(太陽光発電設備設置時は350万円)、長期優良住宅化リフォームは250万円から500万円(太陽光発電設備設置時は350万円から600万円)です。

 主要な減税対象工事の費用が控除上限額を超過する場合や、その他一定の増改築等工事を行った場合も、工事費用の5%が所得税から控除される可能性があります。

 また、リフォームを行った年の翌年度の固定資産税から一定割合が減額されます。減額割合は、耐震で1/2、バリアフリーと省エネで1/3、長期優良住宅化リフォームで2/3(耐震・省エネ必須)となります。ただし、三世代同居対応リフォームと子育て対応リフォームには固定資産税の減額はありません。減額期間は通常1年間です。

 所得税の減税と固定資産税の減税は併用可能です。また、リフォーム促進税制と住宅ローン減税(増改築)の併用や、リフォーム促進税制内の各工事メニューの併用も可能です。

減免制度の併用

 例えば、耐震とバリアフリー、省エネは所得税減税で併用可能ですが、長期優良住宅化リフォームは他の個別促進税制とは併用できない場合があります。事業者は、工事内容に合わせて最適な組み合わせを提案できるようにしておきましょう。

 国土交通省の特設サイトは、リフォーム事業者が最適な提案できるための補助機能があります。

 たとえば、リフォームを支援する補助金と減税制度を活用したモデルケースの紹介や、減税制度のシミュレーション機能があります。増改築等工事証明書の様式のダウンロードも可能です。