食中毒が発生した石川の「大滝観光流しそうめん」、損害賠償後に廃業へ
2023年8月に集団食中毒が発生した石川県津幡町の「大滝観光流しそうめん」は公式サイトを更新し、損害賠償を終えた時点で廃業することを明らかにしました。石川県によると、患者は18都府県で892人に上ります。夏季に30年以上続けられてきた観光名所でしたが、店が使っていた原水からカンピロバクターが検出されており、7月の豪雨被害後に、水質検査を怠っていたことが食中毒の原因とみられます。
2023年8月に集団食中毒が発生した石川県津幡町の「大滝観光流しそうめん」は公式サイトを更新し、損害賠償を終えた時点で廃業することを明らかにしました。石川県によると、患者は18都府県で892人に上ります。夏季に30年以上続けられてきた観光名所でしたが、店が使っていた原水からカンピロバクターが検出されており、7月の豪雨被害後に、水質検査を怠っていたことが食中毒の原因とみられます。
大滝観光流しそうめんは、滝を鑑賞しながら流しそうめんを食べられる石川県の観光名所の一つでした。
大滝観光流しそうめんの公式サイトは「過疎化・少子高齢化が進行する地域に少しでも元気を与えられればと30年以上、夏季限定ではございますが、営業を継続して参りました」と説明しています。
大滝観光流しそうめんでは、8月11~12日に利用客が下痢や発熱、腹痛などの食中毒の症状を訴えていたことがわかり、石川県中央保健所が3日間の営業停止処分としていました。
保健所の検査で店が使っていた原水からカンピロバクターが検出されたといい、大滝観光流しそうめんは7月中旬の豪雨被害に遭い、年に1度実施すべき水質調査を営業開始前に実施できていなかったことを明らかにしていました。
石川県の公式サイトによると、患者は18都府県で892人に上るといいます。
内閣府の食品安全委員会が作成したファクトシート(PDF方式)によると、カンピロバクター(Campylobacter)という細菌は、ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の腸内に生息していますが、カンピロバクターに汚染された食品や水道水・井戸水から直接、または、汚染された食品の調理に用いた器具などからの二次汚染を介してヒトへ感染することがあります。
カンピロバクターによる食中毒は、食品を食べてから発症するまでの潜伏期間が2~7日と比較的長いため、原因食品が残っていないことが多いと言われています。
カンピロバクターによる食中毒の主要症状は、下痢、腹痛、発熱、頭痛、おう吐、吐き気で、他の食中毒の症状と似ています。下痢の回数は1日に数回から10回以上の激しい場合も見られます。発熱はおおむね37℃から38℃台ですが、40℃を超える場合もあります。
こうしたなか、運営会社の大滝観光は9月5日に公式サイトを更新。損害賠償の支払いを進めていること、損害賠償を終えた時点で廃業することを明らかにしました。
8/11に当店におきまして食中毒事故が発生いたしました。保健所による検査の結果、使用している原水よりカンピロバクターが検出されました。
お客様へのお知らせ(大滝観光流しそうめん公式サイト)
現在、損害賠償の支払いを進めております。そして、皆様への損害賠償を終えた時点で廃業いたします。発症された皆様とそのご家族の方々、及び関係者様には、多大なる苦痛とご迷惑をお掛けしましたことを心より深くお詫び申し上げると同時に、皆様のご回復を心より祈念しております。
大滝流しそうめんは、新型コロナウイルスの影響もあり、中断もありましたが、過疎化・少子高齢化が進行する地域に少しでも元気を与えられればと30年以上、夏季限定ではございますが、営業を継続して参りました。
この度、多くの方々の信頼を裏切り、大変辛く苦しい思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
公式サイトはその後も更新されており「現在、損害賠償の支払い対応を進めております。損害賠償は、提示していただいた口座に人数分まとめてお支払いしております。9/19振込を開始しましたが、用紙から銀行員が1件ずつ入力する形式のため時間を要しております。申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いします」とコメントを出しています。
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