目次

  1. “木村牛乳”が守り続ける、100年変わらぬ味
  2. 震災後 ゼロからの再出発
  3. 逆境でも 攻めの一手
  4. 未来を見据えた承継へ
  5. パッケージ刷新で切り拓いた販路拡大
  6. SNSでひらく地域との交流
  7. 地域に根ざし 選ばれるブランドへ

  木村ミルクプラント株式会社は、1918年(大正8年)に創業した乳製品メーカーです。地元では「木村牛乳」の愛称で親しまれ、地域に根ざした企業として歩み続けてきました。

 はじまりは曽祖父の代にさかのぼります。創業当時から現在の場所に店を構え、農業のかたわら8頭の牛を飼って牛乳の販売をしたことが始まりです。

 木村ミルクプラントの牛乳は、「パスチャライズ製法」と呼ばれる低温長時間殺菌でつくられています。85度で15分間、生乳の風味や栄養を損なわないようにじっくりと加熱することで余分な水分がほどよく抜け、牛乳本来の旨味がぎゅっと凝縮されるのが特徴です。

 市販牛乳の多くは、120度で1〜3秒ほど一気に加熱する「超高温瞬間殺菌」によってつくられていて、この製法を採用しているメーカーは全国でもごくわずか。国内流通量は1割にも達しません。一口飲めば、その違いは歴然。

 ほのかな甘みとコク、そしてすっきりとした後味が際立ちます。木村ミルクプラントでは「おいしさを最大限に引き出すために、手間は惜しまない」という信念のもと、創業から変わらぬものづくりを続けてきました。

 4代目の木村俊太郎さんは、保育園から小・中学校までが自宅兼工場から歩いてすぐという環境で育ち、家業を継ぐことがごく自然なことだと感じながら成長しました。

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