目次

  1. トランプ関税、日本時間の8月7日に発動
  2. アメリカ発の関税措置などが引き起こす需給ショック
  3. 産業政策と地政学が揺さぶる投資戦略 2025年見通し
    1. EV・バッテリー産業
    2. データセンター投資
    3. 再生可能エネルギー
  4. 輸出規制の強化に懸念 セキュリティ対策も急務
  5. 日本企業に求められる情報収集と体制強化

 アメリカのホワイトハウスの公式サイトで公開された大統領令によると、トランプ関税は現地時間で8月7日0時1分(日本時間13時1分)から発動する予定で、各国への新たな関税の税率を適用する大統領令に署名しました。アメリカのホワイトハウスの公式サイトによると、日本は、事前の日米関税交渉で15%となりました。

国名・地域 調整後の相互関税
アフガニスタン 15%
アルジェリア 30%
アンゴラ 15%
バングラデシュ 20%
ボリビア 15%
ボスニア・ヘルツェゴビナ 30%
ボツワナ 15%
ブラジル 10%
ブルネイ 25%
カンボジア 19%
カメルーン 15%
チャド 15%
コスタリカ 15%
コートジボワール 15%
コンゴ民主共和国 15%
エクアドル 15%
赤道ギニア 15%
EU 15%(一部除く)
フォークランド諸島 10%
フィジー 15%
ガーナ 15%
ガイアナ 15%
アイスランド 15%
インド 25%
インドネシア 19%
イラク 35%
イスラエル 15%
日本 15%
ヨルダン 15%
カザフスタン 25%
ラオス 40%
レソト 15%
リビア 30%
リヒテンシュタイン 15%
マダガスカル 15%
マラウイ 15%
マレーシア 19%
モーリシャス 15%
モルドバ 25%
モザンビーク 15%
ミャンマー 40%
ナミビア 15%
ナウル 15%
ニュージーランド 15%
ニカラグア 18%
ナイジェリア 15%
北マケドニア 15%
ノルウェー 15%
パキスタン 19%
パプアニューギニア 15%
フィリピン 19%
セルビア 35%
南アフリカ 30%
韓国 15%
スリランカ 20%
スイス 39%
シリア 41%
台湾 20%
タイ 19%
トリニダード・トバゴ 15%
チュニジア 25%
トルコ 15%
ウガンダ 15%
イギリス 10%
バヌアツ 15%
ベネズエラ 15%
ベトナム 20%
ザンビア 15%
ジンバブエ 15%

 ただし、発動日時より前に最終輸送手段で船積みされ、2025年10月5日米東部夏時間午前12時1分より前に消費のために輸入される、または倉庫から引き出される物品は、以前の大統領令に基づく関税が適用されると説明しています。

 一方で、トランプ大統領は、8月1日予定していたメキシコからの輸入品に対する関税の税率引き上げを90日間延期することをSNSで表明するなど調整を続けています。

 新たな関税措置が公表され、世界経済が新たな局面を迎えるなか、ジェトロは「多国間主義に瓦解の兆しー試されるグローバルビジネスの耐性」と題したジェトロ世界貿易投資報告 2025年版を公表しています。報告書のなかで、企業は「情報収集の強化」「サプライチェーンの多角化」「輸出管理の強化」といった多角的な対応が不可欠だと指摘しています。

 報告書によると、2025年1月にアメリカで第2次トランプ政権が発足して以降、その経済政策を巡る不確実性が著しく増大しているといいます。

 国際通貨基金(IMF)は2025年4月、「世界経済見通し」で2025年の世界経済成長率を0.5ポイント下方修正し、2.8%としました。これは、アメリカが段階的に導入を開始した追加関税が世界的な貿易・投資・供給網の混乱を招き、各国・地域経済に負の影響を与えるとIMFが分析しているためです。

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