目次

  1. 抗日戦争勝利80年とは
  2. 特に注意したい中国の歴史関連記念日
  3. 中国の記念日に注意しておきたい行動
  4. 情報源と緊急連絡先

 在中国日本国大使館の公式サイトによると、中国は、第2次世界大戦で日本が降伏文書に署名した翌日にあたる9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と定めています。

 とくに2025年は「抗日戦争と反ファシズム戦争の勝利から80年」と位置づけて、今夏7月から9月にかけて、抗日関係の映画及びドラマの放映、軍事パレード等、過去の日中間の歴史にかかわる各種行事やイベントを実施予定です。

 こうした一連の行事で、中国の国民の反日感情が高まる可能性があります。

 外務省の海外安全ホームページによると、中国国内で反日感情が高まる可能性のある主な記念日は以下の通りです。

  • 5月4日(1919年):五・四運動(反帝国主義、反封建主義運動)
  • 6月5日(1941年):重慶爆撃記念日
  • 7月7日(1937年):盧溝橋事件
  • 8月15日(1945年):終戦の日
  • 9月3日(1945年):「抗日戦争勝利記念日」
  • 9月11日(2012年):尖閣諸島の取得・保有
  • 9月18日(1931年):柳条湖事件(満州事変)
  • 11月21日(1894年):「旅順虐殺」
  • 12月13日(1937年):「南京事件」(「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」)

 これらの記念日に、日本人や日本企業がいたずらに中国内で目立つ行動や活動をすると、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性もあります。この時期の中国政府関係者への訪問、開業式、新商品発表会などに出席する場合も十分に注意を払ってください。

 また、時期はずれますが、毎年3月15日の中国の「消費者権利デー」も、企業の製品の品質やサービスの問題点を指摘するキャンペーンを展開するため、日本企業は注意を払っておきましょう。

 こうした日やその前後に外出する際には不審者の接近等、周囲の状況に留意し、安全確保に努めてください。特に子ども連れの場合には、複数人で行動するなど、十分な対策を講じることが重要です。

 外務省は、ほかにも次のような行動に注意するよう呼び掛けています。

  • 現地の習慣を尊重し、現地の方と接する際には言動や態度に注意する。
  • 外で周囲に聞こえるような声量で日本語を話すこと等は極力控えるとともに、日本人同士で、集団で騒ぐ等の目立った行為は避ける。
  • 一見して日本人と推測される服装をしたり、そうした物を携帯したりすることを避ける。
  • 周囲の状況に注意を払い、大勢の人が集まる広場や多くの日本人が利用すると思われやすい場所は可能な限り避ける。
  • 少しでも不審に感じる人物や集団等を見かけた際には近付かないようにし、速やかにその場を離れる。

 万一の事態に備え、以下の情報源を活用し、最寄りの大使館または総領事館の連絡先を把握しておくことが重要です。

 外務省は中国の在留邦人向け安全の手引きを公開しています。

 中国国内には以下の日本国大使館および総領事館があります。在中国日本国大使館の管轄地域は以下の通りです。

 北京市、天津市、陝西省、山西省、甘粛省、河南省、河北省、湖北省、湖南省、青海省、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、内蒙古自治区。

 大使館の住所は北京市朝陽区亮馬橋東街1号で、電話:(市外局番010)-8531-9800(代表)、(邦人援護)-6532-5964 国外からは(国番号86)-10-8531-9800(代表)、(邦人援護)-6532-5964です。

 そのほか、在広州日本国総領事館、在上海日本国総領事館、在重慶日本国総領事館、在瀋陽日本国総領事館、在瀋陽日本国総領事館大連領事事務所、在青島日本国総領事館、在香港日本国総領事館が各地にあり、それぞれの管轄地域と詳細な連絡先は、外務省の海外安全ホームページまたは各公館の公式サイトで確認できます。