Hennery Farm

千葉県銚子市に約4ヘクタールの畑を所有。甘みが強く芯まで美味しいと評判の「アフロきゃべつ」を年2回収穫し、生のままでも食べられるアフロコーンと合わせて三毛作を行っています。収穫した野菜は、オンライン販売と固定ファンへの直接販売でのみ購入できます。

一度は就農するも音楽の道へ

――いつから農業を始めたのでしょうか。

 高校卒業後、一度は18歳で就農しています。とはいえ、運送屋でアルバイトをしながら実家を手伝う、兼業でのスタートです。ただ、キャベツを植えて、育てて、収穫して、箱詰めして、運び出してという作業に、当時はバイト感覚というか、魅力は感じられませんでした。

──それで、東京に行かれたのですね。

 元々は高校卒業後、専門学校に行きたかったのですが、親に許してもらえなくて、農家を手伝っていたんです。でも、どうしても音楽をやりたかったので、「家を出ます」と言って東京で暮らし始めました。東京ではクラブDJをしながら、日雇いのアルバイトをして家賃を払う生活でした。ただ、クラブDJをしていると、レコードを買うお金がかかりますが、これがバカになりません。古いレコードは1枚3000円や5000円はします。家賃を払いながら、大量のレコードを買いそろえるのは大変で、2年たった頃には、東京にいる意味ってなんだろうと思い始めていました。

DJ時代の坂尾さんは、ヒップホップのレコードを次々とかけながらクラブを盛り上げていました(坂尾さん提供)

──東京生活を2年で終えることになりました。その後、音楽活動はどうやって続けましたか。

 僕はヒップホップでクラブDJをしていました。ヒップホップはローカル意識が強くて、地元を大事にするカルチャーがあります。東京じゃなくても、自分が住んでいるローカルエリアから、やりたいことを発信すればいい。そう考えて、東京の家を引き払い、銚子に拠点を移して、アメリカにレコードを買いに行く生活を始めました。

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