観光人材の維持を最優先に

――星野さんはコロナの収束を18カ月先と見据えています。それまでに、観光人材をどうやって維持していこうと考えていますか。

 コロナは観光業にとって、ものすごい大きなインパクトでした。4月、5月は試行錯誤してきましたが、失った売り上げも利益も戻ってはきません。収束は18カ月先とみていますが、コロナ危機前に比べると、利益は少なくなります。

 マーケットはいずれ、コロナ前の状態に戻ります。しかし、自社の財務状況は戻りません。この間に利益は落ちる一方で、借り入れも増えます。バランスシートは悪化して、何とか生き残っても企業体力はヘトヘトになります。

星野佳路さんは、「3密回避」とプリントされたTシャツを着て、公開インタビューに臨みました

 コロナの収束後、回復のスピードを速めるためには、観光を担う人材の維持が不可欠です。1991年から経営者をしていますが、人材をそろえるまでにすごい時間がかかりました。観光人材を失えば、コロナが終わっても復活するまでに、育成し直さないといけません。星野リゾートとしては、観光人材を維持したまま生き残ることを最優先に、18カ月間の対応を考えていきます。

――観光産業にはファミリービジネス企業が少なくありません。観光業全体で人材を維持するには、何が必要になりますか。

 星野リゾートは国内42施設を運営していますが、私たちはあくまで運営会社で、施設を所有・投資しているわけではありません。

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