名産「明石だこ」とは

 明石だこは、明石市近辺で捕れるマダコの総称です。明石海峡には日本有数の好漁場である「鹿ノ瀬(しかのせ)漁場」があり、海峡の速い潮流に耐えた太く短い足で「陸でも立って歩く」とも評され、弾力ある歯ごたえとうまみが特徴です。

クラウドファンディングは目標額の4倍を達成

 樟さんが立ち上げたのは、「百年タコを茹で続けた職人たちが贈る『時を超える茹でだこ』」と題したクラウドファンディング です。

 樟さんによると、最もおいしいのは、ゆでた当日です。一方で「サクッ、プリッッッ!」という歯ごたえとうまみを両立するには、厳密なゆで時間と熱を通しすぎないための氷水が必要です。金楠水産の職人ならちょうど良いゆで加減になるものの、消費者に届けるまでに時間がかかってしまいます。ゆでたてのおいしさをどうにか味わってもらえないか……。その悩みが、今回の企画につながりました。

自宅でゆでる明石だこのイメージ

 今回は、職人が塩もみ後にゆでて真空パックに詰めたものと、職人が塩もみまでした加熱前のたこを消費者に送ります。加熱前のたこは自宅でゆでて食べ比べてもらうことにしました。

 支援者へのリターンには、ゆで方のコツを書いたメモを同封します。樟さんは「ゆで時間が30秒違うだけで、食感も味もまったく変わってしまいます。ミディアムレアが理想の状態です」と話します。7日現在で目標金額の400%を超える200万円が集まりました。

きっかけは明石だこの不漁

 金楠水産の加工する明石だこは、新宿伊勢丹や銀座三越、ミシュランの星を獲得した高級レストランとも取引があります。そんななかで、樟さんが消費者と直接つながるクラウドファンディングを始めたのには理由がありました。

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