【中小企業こそチャンス】メディアに取り上げられる広報・PR戦略
企業のマーケティングで重要な戦略の一つが、メディア露出です。中小企業がメディアで紹介されるチャンスを見過ごしていたり、企業とメディアの意図が合わなかったりといった行き違いも少なくありません。取材するメディア側から見た、「取材したくなるポイント」を紹介します。
企業のマーケティングで重要な戦略の一つが、メディア露出です。中小企業がメディアで紹介されるチャンスを見過ごしていたり、企業とメディアの意図が合わなかったりといった行き違いも少なくありません。取材するメディア側から見た、「取材したくなるポイント」を紹介します。
インターネットで「メディア」や「PR」に関連するキーワードで検索すると、以下のような内容を見ることがあります。
広告媒体に商品やサービスを掲載すれば広告費がかかります。
しかし、メディアを取材で呼ぶことができれば、無料であなたの商品やサービス宣伝することができます!
PRにはストーリー性が欠かせません
こうした紹介には取材する立場として、ギャップを感じます。朝日新聞記者や現在運営しているWEBメディア「ツギノジダイ」の編集長からの視点にはなりますが、周りの記者を見ていると、企業を取材する目的は次のようなポイントがあると感じています。
逆にいえば、企業の商品やサービスの宣伝にしかならない場合はなかなか記事にする機会はありません。経済メディアをのぞけば、新製品、新サービスの発売が大きなニュースになるのは、Appleの新型iPhoneなど誰もが知る有名企業、有名商品がほとんどです。
ただ、こうした状況にもかかわらず、朝日新聞にはいくつも中小企業が登場するコーナーがあります。積極的にメディアにアピールしている中小企業はまだ少ないので逆にチャンスかもしれません。
朝日新聞で中小企業が取り上げられているコーナーを紹介します。「どんなコーナーに掲載されますか?」というのは、PR・広報勉強会でよく聞かれる質問の一つです。
そのほかにも、各都道府県やブロックごとにつくっている紙面でも、中小企業を紹介する様々な連載があります。「ツギノジダイ」では、中小企業の経営者や後継ぎを多く紹介していますが、読者である中小企業の経営層も悩んでいる経営課題や悩みに対し、どのように解決しようと取り組んでいるかを中心に紹介しています。それでは、次にメディアへの露出に向けた具体的な手順について紹介します。
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メディアに露出しようと考えた場合、まずその目的を決めましょう。新製品の認知度を高めたいのか、企業のファンを増やしたいのか、企業の信用を高めたい……といった目的です。
以前、ある企業経営者に紙面掲載後に言われた一言は次のような内容でした。
「朝日新聞に取材されても商品が売れるとは考えていなかった。しかし、社員のご両親、これから入社してくる内定者のご両親が新聞記事で会社のことを知り、安心してくれたのは大きかった」
取材の際には、私はできる限りその企業のことを事前に調べた上で取材に臨んでいます。企業のサイトだけでなく、企業が発信しているブログや経営者・役員のSNSも参考にすることがあります。
テレビ、新聞、雑誌、インターネットメディアなど媒体によって読者も取材方法もアウトプットもそれぞれ違います。たとえば、テレビ番組では、ニュースかバラエティー番組ごとにもそれぞれの特色があります。露出する目的に合わせて、どのメディアのどの企画に取り上げてもらいたいかを考えてみてください。
露出したいメディア、企画の特色を分析しながら、企画書やプレスリリースを書くと取り上げられる可能性は高まります。企画書やリリースの送り先が、メディアの会社名だけでは、社内での届け先がわからず、誰の目にも触れずに終わるかもしれません。できる限り企画名や担当の部署名を書く方が届きやすくなります。
メディアのもとにはPR会社から、電話、メール、FAX、Twitterのダイレクトメッセージなど様々な形でたくさんの連絡が寄せられます。プレスリリースやPR会社との距離感は記者によってかなり温度差がありますが、プレスリリースをもとに取り上げる可能性はそれほど高くはありません。記者は自分のネットワークや視点をもとに情報収集して企画を考えることが多いです。
プレスリリースは、1日にたくさんの企業から出されており、せっかくリリースしても埋もれやすい状況です。また、商品やサービスそのものの露出を狙うプレスリリースが多く、メディアとして掲載したい方向性とはなかなか合わないことが多いです。
ただし、同じ商品の紹介方法でも、ユーザーの声をもとにした商品開発や、ある地域のコミュニティーのなかで非常に人気が出ているなど、商品紹介にとどまらない文脈での紹介方法もあります。その場合は取り上げ方も変わってきますので、新製品が絶対に取り上げられないというわけではありません。
PR会社に広報機能を委託する企業も増えていますが、記者の立場としては、経営者や現場担当者になるべくスムーズに接触して取材したいという希望があります。PR会社に問い合わせても直接回答を得られないことは多く、間に入ることで現場の熱意や雰囲気が伝わりにくかったり、時間と手間がかかったりすることを心配しています。
地方の中小企業のプレスリリースを書くのに必要な視点は、ツギノジダイのライターでもある支援拠点のセンター長たちが事例で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
取材を受けてメディアに露出したとしても、瞬間風速で終わってしまう場合もあります。そうならないためにも、日ごろから顧客や地域の役に立つ情報発信をすることは大切です。メディア露出も大切ですが、SNSやブログなどを通じたコミュニケーション戦略も一緒に検討してみてください。
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