国も注目する働き方支援企業

 従業員50人以下の中小企業に対し「笑顔あふれるワークスタイルの創造提案」を掲げているのが、岡山市に本社のある「ワークスマイルラボ」(ワクスマ)です。4代目社長の石井聖博さん(41)が、事務機器販売業から事業を転換させました。

 自社の働き方の課題を抽出し、それを解決するための商品やサービスを探し、実際に試して効果のあったものだけを選び、活用するための社内制度やルールと一緒に提案するというサービスを展開しています。

 総務省の「テレワーク先駆者百選」に選出されたり、中小企業白書2020年版(PDF形式:5MB)に取り上げられたりし、働き方改革で注目されている企業です。

初対面の社員から「辞めたいんですけど」

 大学卒業後にキヤノン販売(現・キヤノンマーケティングジャパン)を経て、2006年に家業であるワクスマの前身「石井事務機センター」に戻ってきた石井さん。初出社で待ち受けていたのが「あの、会社辞めたいんですけど……」という初対面の社員からの相談でした。石井さんは思わず「え、誰ですか?」と返してしまいました。

 当時の社員数は13 名。ほかの社員に話を聞くと、1カ月のうちに何人も入社しては辞めていくという状況でした。「上司がいつもパチンコに行っていて連絡がつかず、仕事も教えてくれない」といった不満も出ていました。

 2000年ごろから事務用品の通信販売が市場に登場し、売り上げと利益率が下がっていました。主力商材であったコピー機も価格競争の波に飲まれていたところに2008年、リーマンショックの不況が襲いました。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。