マクアケで記録的ヒット

 購入総額4766万6892円、目標達成率1万5888%。村岸産業オリジナルのボディーブラシ「ROTUNDA(ロタンダ)」は、コロナ禍の2020年4~6月、CFサイト「マクアケ」で、当初目標の30万円を大幅に超え、記録的なヒットを飛ばしました。

村岸産業が開発したボディーブラシ「ROTUNDA」

 村岸産業の社員数はわずか22人ですが、化粧筆の高級ブランドである熊野筆をボディーブラシに用いた大胆なアイデアが受けたのです。開発をリードしたのは、村岸産業の創立に関わった村岸弘吉氏の娘、村岸直子さんでした。

 村岸さんは京都の美大を卒業後、ワコールで約15年間活躍し、フリーの企画デザイナーを経て、2005年に村岸産業に入りました。先代の叔父が後継者を考えていた時に、指名されたのです。当時、友人と企画会社を経営していましたが、「同じ苦労するのなら父が作った会社を継いだ方がいい」と考え、化粧筆のことは全く分かりませんでしたが、腹をくくりました。

海外製品の台頭に危機感

 村岸産業は1929年に創業し、47年に工場を開いて化粧筆メーカーとなりました。同社は、資生堂など大手化粧品メーカー向け化粧筆のOEM(相手先ブランドによる生産)のほか、「べっぴんさくら筆シリーズ」など熊野筆を用いたオリジナル商品を販売しています。

村岸産業のかつての製造現場

 村岸さんは2010年、京都で業界初となる化粧筆専門店「六角館さくら堂KYOTO」を、関連会社MURAGISHIの事業として立ち上げました。当時、「化粧筆の専門店なんてうまく行くはずがない」と強く反対され、自己資金で作りました。品ぞろえは約200アイテム。その7割を村岸産業がデザインし、熊野筆の産地・広島県熊野町のメーカーにOEM依頼で生産しました。店はなじみの顧客とインバウンド需要に支えられ、順調に業績を伸ばしました。

 村岸さんは、2017年に村岸産業社長に就任。その頃は、中国や台湾などで化粧筆が量産されていました。危機感を覚え、従来のOEMとは異なる新たな販路開拓が急務だと考えました。経営者になりたての村岸さんは、どんな手を打ったのでしょうか。

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