目次

  1. 無料・登録不要の大容量ファイル送信サービス3つ
    1. データ便
    2. firestorage
    3. ギガファイル便
  2. 大容量ファイル送信サービスを使わず送れるサービス3つ
    1. LINE
    2. Slack
    3. Chatwork
  3. 大容量ファイルは共有が便利 おすすめの方法4つ
    1. Google ドライブ
    2. Dropbox
    3. Box
    4. YouTube
  4. 大容量ファイルの共有は簡単 ぜひチャレンジを

 「とにかく今すぐこのファイルを送りたい!」そんな方に、3つのサービスを紹介します。どれも、面倒な会員登録はありませんし、無料で使えます。まずは比較しやすいように一覧表を作成しましたので、こちらをご覧ください。

サービス名 データ便 firestorage ギガファイル便
登録なしで送信できる容量 500MB 2GB 300GB
ファイル保管期間 3日 7日 100日
ほかのサービスとの違い 登録無しで利用可能な機能が充実 すっきりした画面デザイン 圧倒的に大容量を送信可能

 なお、どのサービスもセキュリティに力を入れていますが、サービスによっては、先方のセキュリティポリシーを満たしていない可能性があります。

 実際、私はファイルを送った後に「今後、そのサービスを使ってファイルを送らないでくれ」と言われたことがあります。

 どのサービスを利用して送るのか、ファイルを送る相手に事前に伝えておくことをおすすめします。

 データ便は、本記事で紹介する3つのサービスの中で、会員登録無しで利用できる機能が最も充実しています。

 その中で、ダウンロードURLを相手へ伝える「メール通知機能」がありますが、メールマガジンのような広告入りメールが相手に届くため、ビジネスの場では使わないほうが無難です。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルをデータ便にアップロードする
  2. ダウンロードURLの確認画面を開く
  3. そのURLを相手に送る(メール通知機能、もしくは別メールで送付)
  4. (1で設定した場合)パスワードを相手に伝える
サービス名 データ便
サービスのURL https://www.datadeliver.net/
登録なしで送信できる容量 500MB
登録後に送信できる容量と料金 フリープラン: 1GB (無料)
ビジネスプラン: 無制限 (送信機能のみなら月額330円)
ファイル保管期間 登録なし: 3日
フリープラン: 3日
ビジネスプラン: 30日
ほかのサービスとの違い 登録なしで利用可能な機能が充実。
特に、以下2つの機能は、相手が確実に受信したかどうか分かるため便利。
・ダウンロード状況確認サイト
・ダウンロード通知メール

 firestorageは、ビジネスの場で利用しても違和感のない、すっきりとした画面が特徴の大容量ファイル送信サービスです。

 他サービスでよくある、相手がファイルをダウンロードしたか確認できる「ダウンロード追跡」機能は有料プランでないと使えないので、注意してください。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルをfirestorageにアップロードする
  2. 表示されたダウンロードURLを相手にメールで送る
  3. (1で設定した場合)パスワードを相手に伝える
サービス名 firestorage(ファイヤーストレージ)
サービスのURL https://firestorage.jp/
登録なしで送信できる容量 2GB
登録後に送信できる容量と料金 無料会員: 2GB (無料)
ライト会員: 5GB (月額税込1037円)
正会員: 10GB (月額税込み2085円)
ファイル保管期間 7日
ほかのサービスとの違い ビジネス利用でも違和感のない、すっきりした画面デザイン

 ギガファイル便は、圧倒的に大容量の300GBを送れることが特徴です。有料プランがなく、無料でのサービス提供ですが、必要な機能は一通り揃っています。

 メール通知機能を利用すると、ダウンロードURLとパスワードが自動的にメールで相手に送られます。

 ただ、宛先メールアドレスを誤った場合、相手がファイルをダウンロードできてしまいますので、この機能は利用しないほうが無難です。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルをギガファイル便にアップロードする
  2. 表示されたダウンロードURLを相手に送る(メール通知機能、もしくは別メールで送付)
  3. (1で設定した場合)パスワードを相手に伝える。※ 2でメール通知機能を利用した場合は、メール本文にパスワードが自動的に記載されるので不要
サービス名 ギガファイル便
サービスのURL https://gigafile.nu/
登録なしで送信できる容量 300GB
登録後に送信できる容量と料金 登録機能なし
ファイル保管期間 100日
ほかのサービスとの違い 圧倒的に大容量のデータを送信可能

 大容量ファイルを送信する方法は、上記のようなサービスを使う以外にもさまざまな方法があります。

 たとえば、LINEやSlack(スラック)といったチャットサービスでは、メールと比べて大きなファイルを添付できます。

 代表的なものを一覧にまとめました。

サービス名 LINE Slack Chatwork
送信できる容量 1GB 1GB 5GB
特徴 操作に慣れている人が多く、手軽にファイルを送れるのが強み。一方で、写真や動画は自動圧縮されるので注意が必要 ビジネスチャットサービスのスタンダードで、利用者が増え続けている 国産のビジネスチャットサービスで、日本人が馴染みやすい操作感。無料プランではグループチャットが7個までしか作成できないことに注意
おすすめのシーン ・図面のような画質が落ちても良い画像データを共有したいとき
・設計図のような大容量のドキュメントファイルを共有したいとき
相手企業1社に対して、複数プロジェクトが同時に走るとき チャットに不慣れな相手と、1GB以上のファイルを共有するとき

 LINEは、使い慣れている人が多く、簡単にファイルを送れるのが特徴です。

 ただし、職場の人にLINEアカウントを教えたくない人がいたり、会社によっては仕事でのLINE利用を禁止していたりと、ビジネスでの利用が難しい場合があります。

 その場合は、法人向けLINEサービスである「LINE WORKS」がおすすめです。無料プランもあります。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルを送りたいトークルームを開く
  2. トーク画面下にある「+」をタップ(PC版ならクリップアイコンをクリック)
  3. ファイルを添付して送信
サービス名 LINE
送信できる容量 1GB
メリット LINEでやり取りしている相手であれば、手軽にすぐ送信できる
デメリット ・LINEアカウントを知らない場合、LINE交換から始める必要がある。LINEはプライベート利用のみと割り切っている相手は難色を示すことも
・自動圧縮されるため、写真や動画の画質を落とさずに送るには向かない
おすすめのシーン ・図面のような画質が落ちても良い画像データを共有したいとき
・設計図のような大容量のドキュメントファイルを共有したいとき
公式URL https://line.me/ja/

 Slackは、ビジネス向けのチャットサービスです。IT業界ではスタンダードなサービスであり、様々な業界へ広まりつつあります。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルを送りたいチャンネル(LINEで言うトークルーム)を開く
  2. チャット画面下にあるファイルアイコン(書類にクリップが付いたアイコン)をタップ(PC版ならクリップアイコンをクリック)
  3. ファイルを添付して送信
サービス名 Slack(スラック)
送信できる容量 1GB
メリット ・Slackでやり取りしている相手であれば、手軽にすぐ送信できる
・チャットメンバーをまとめた「ワークスペース」の中に、複数の「チャンネル」(チャットグループ)が作成できる。そのため、相手企業ごとにチャットを整理しやすい
デメリット 相手がSlackを利用していない場合、Slackの操作にまず慣れてもらう必要がある
おすすめのシーン 相手企業1社に対して、複数プロジェクトが同時に走るとき
公式URL https://slack.com/intl/ja-jp/

 国産のビジネスチャットサービスで、馴染みやすく、シンプルな画面構成なので、直感的に操作できます。初心者におすすめです。

 取引先ごとにグループチャットを分ける場合、無料プランの場合は7個までしかグループチャットが作成できませんので、注意してください。

 送る手順は次の通りです。

  1. ファイルを送りたいグループチャット(LINEで言うトークルーム)を開く
  2. チャット画面下にある「+」をタップ(PC版ならクリップアイコンをクリック)
  3. ファイルを添付して送信
サービス名 Chatwork(チャットワーク)
送信できる容量 5GB
メリット ・Chatworkでやり取りしている相手であれば、手軽にすぐ送信できる
・国産のビジネスチャットサービスで、日本人が馴染みやすい操作感
デメリット 無料プランでは、グループチャットの作成が7個まで
おすすめのシーン チャットに不慣れな相手と、1GB以上のファイルを共有するとき
公式URL https://go.chatwork.com/ja/

 大容量ファイルをいかにして「送る」かについて紹介してきましたが、私のおすすめは、オンラインストレージで「共有」することです。これには2つの理由があります。

 まず、業務効率です。ファイルを送る場合、何かしらのサービスへアップロードして、相手にダウンロードしてもらう必要があります。

 ですが、普段からすべてのファイルをオンラインストレージへ保存しておけば、いざ共有するときに、共有をかけるだけで済みます。

 特に大容量ファイルの場合はアップロードに数時間かかることもありますので、どうしても今日中に共有したい時に、アップロードが終わるまで仕事が終えられないこともあります。

 また、オンラインストレージはスマートフォンアプリが基本的にありますので、外出中にスマートフォンやタブレットでササッと内容を確認できます。これにより、双方が効率的に仕事ができます。

 2点目は、セキュリティです。サービスとプランにもよりますが、オンラインストレージは、セキュリティ機能が充実しています。

 ファイルの閲覧だけができる人や、変更を加えることができる人を細かく設定できたり、いつ誰がどこからファイルへアクセスしたのかログを細かく見たりできます。

 主なサービスについて一覧表を作成しました。合わせて、オンラインストレージではないのですが、動画を共有する代表的なサービスとしてYouTubeも載せています。

サービス名 Google ドライブ Dropbox Box Youtube
アップロードできる1ファイルの最大サイズ
(無料プラン)
15GB 2GB 250MB 256GB
または12時間の小さい方
保存できる容量
(無料プラン)
15GB 2GB 10GB 無制限
①主な有料プランの価格
②アップロードできる1ファイルの最大サイズ
③保存できる容量
【Business Starter】
①月額680円
②30GB
③30GB
【Business Standard】
①月額1360円
②2TB ※最大5TB
③2TB×人数
【Standard】
①月額1800円
②5TB
③5TB
【Advanced】
①月額2880円
②必要に応じて追加可能
③必要に応じて追加可能
【Business】
①月額1800円
②5GB
③無制限
【Business Plus】
①月額3000円
②15GB
③無制限
特徴 無料で使える容量が一番多い。Googleアカウントを作成すると、自動的に使えるようになる 少人数で大容量ファイルを扱うにはコストパフォーマンスが良い 有料プランで保存容量が無制限になるのはBoxだけ 動画共有に特化。共有相手も、視聴が簡単
おすすめのシーン ユーザーひとりひとりが1ファイル当たり2TBを超えるファイルを扱うとき Google ドライブよりでは慣れるまでに時間がかかりそうだが、今すぐファイル共有したいとき 大容量の音声や動画ファイルが増え続けるとき 企業のPR動画等を簡単に複数人へ共有したいとき

 Googleアカウントを作成すると、自動的に使えるようになります。オンラインストレージ初心者におすすめです。

 共有する手順は次の通りです。

  1. 当該ファイルを開く
  2. 右上にある「︙」→「共有」を選択
  3. 共有したい相手のメールアドレスを入力
  4. 「閲覧者」「閲覧者(コメント可)」「編集者」のいずれかを選択
  5. 「送信」を選択

 共有用のURLをコピーして、相手にメールやチャットサービス等で送付する方法もあります。

 上記3の画面で、相手のメールアドレスを入力していない場合は、「制限付き」のプルダウンを「リンクを知っている全員」に変更しないと、共有用のURLからアクセスできません。

 この場合、共有相手以外にも、誰でもアクセスできる状態になりますのでご注意願います。

サービス名 Google ドライブ
アップロードできる1ファイルの最大サイズ(無料プラン) 15GB
保存できる容量
(無料プラン)
15GB
①主な有料プランの価格
②アップロードできる1ファイルの最大サイズ
③保存できる容量
【Business Starter】
①月額680円
②30GB
③30GB
【Business Standard】
①月額1360円
②2TB ※最大5TB
③2TB×人数
特徴 無料で使える容量が一番多い。Googleアカウントを作成すると、自動的に使えるようになる
おすすめのシーン ・今Googleアカウントを持っている場合
・ユーザーひとりひとりが1ファイル当たり2TBを超えるファイルを扱うとき
公式URL https://www.google.com/intl/ja_jp/drive/

 余白の多いシンプルな画面で、直感的に操作できます。Googleドライブのように「ドライブ」という概念がなく、「フォルダ」のように聞き慣れた言葉が使われているので、初心者でも迷わず使えるのではないかと思います。

 パソコンでDropboxのアカウントを作成すると、Dropboxアプリのインストールが促されて、いつの間にかパソコンのデータがDropboxへ同期されていることがあるようです。使いこなす自信のない場合は、アプリではなく、Webブラウザ版を利用するのが無難です。

 共有する手順は以下の通りです。

  1. 当該ファイルを開く
  2. 右上にある「共有」を選択
  3. 共有したい相手のメールアドレスを入力
  4. 「ファイルを共有」を選択

 「リンクを作成してコピー」から共有用のURLを取得して、相手にメールやチャットサービス等で送付する方法もあります。

 この場合、共有相手以外にも、誰でもアクセスできる状態になりますのでご注意願います。

サービス名 Dropbox
アップロードできる1ファイルの最大サイズ(無料プラン) 2GB
保存できる容量
(無料プラン)
2GB
①主な有料プランの価格
②アップロードできる1ファイルの最大サイズ
③保存できる容量
【Standard】
①月額1800円
②5TB
③5TB
【Advanced】
①月額2880円
②必要に応じて追加可能
③必要に応じて追加可能
特徴 少人数で大容量ファイルを扱うにはコストパフォーマンスが良い
おすすめのシーン Google ドライブでは慣れるまでに時間がかかりそうだが、今すぐファイル共有したいとき
公式URL https://www.dropbox.com/ja/

 有料プランで、保存容量が無制限になるのが最大の特徴です。

 また、各ファイルについて誰と共有されているのか分かりやすく表示されたり、細かな権限設定ができたりと、セキュリティが重視されています。

 共有する手順は以下の通りです。

  1. 当該ファイルを開く
  2. 右上にある「共有」を選択
  3. 共有したい相手のメールアドレスを入力
  4. 「編集者として招待」もしくは「ビューアーとして招待」を選択
  5. 「送信」を選択

 「共有リンクを作成」から共有用のURLを取得して、相手にメールやチャットサービス等で送付する方法もあります。

 この場合、共有相手以外にも、誰でもアクセスできる状態になりますのでご注意願います。

サービス名 Box
アップロードできる1ファイルの最大サイズ(無料プラン) 250MB
保存できる容量
(無料プラン)
10GB
①主な有料プランの価格
②アップロードできる1ファイルの最大サイズ
③保存できる容量
【Business】
①月額1800円
②5GB
③無制限
【Business Plus】
①月額3000円
②15GB
③無制限
特徴 有料プランで保存容量が無制限になるのはBoxだけ
おすすめのシーン 大容量の音声や動画ファイルが増え続けるとき
※4K動画の場合、100時間程度で2TB。毎週1時間分を保存したら、2年で2TBを超えます
公式URL https://www.box.com/ja-jp/home

 動画共有と言えばYouTubeではないでしょうか。YouTubeチャンネル作成は面倒ですが、共有相手が手軽に見れるのが便利です。

 共有する手順は以下の通りです。

  1. (最初のみ)YouTubeチャンネル作成、設定
  2. 動画のアップロード
  3. (限られた人にのみ共有したい場合)非公開設定にして、URLをメール等で送付する
サービス名 Youtube
アップロードできる1ファイルの最大サイズ(無料プラン) 256GB
または12時間の小さい方
保存できる容量
(無料プラン)
無制限
①主な有料プランの価格
②アップロードできる1ファイルの最大サイズ
③保存できる容量
特徴 動画共有に特化。共有相手も、視聴が簡単
おすすめのシーン 企業のPR動画等を簡単に複数人へ共有したいとき
公式URL https://www.youtube.com/

 大容量ファイルを送るのは時間がかかります。

 仮に、インターネット回線の帯域が50Mbpsとして試算すると、200GBのファイルのアップロードに10時間以上かかり、ダウンロードに10時間以上かかります。

 そこまで大きなファイルをやり取りしないにしても、ファイルの送受信を頻繁に行う場合、無駄な時間が積み重なります。

 「従業員が潤沢にいるし、忙しくないから、無駄な時間が多少あっても大丈夫」という企業でも、今後もその状態が続くとは限りません。

 日本の人口は減り続けていますし、売上が下がったら、従業員を減らす場面も出てくるかもしれません。

 大容量ファイル送信サービスは、20年以上前、まだスマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスが登場する前に生まれたサービスです。

 今は働き方も変わってきており、パソコンを使わずに、モバイルデバイスで仕事をする人も増えてきています。

 大容量ファイル送信サービスの利用を検討するだけでなく、オンラインストレージを利用したファイル共有の仕組みを整えて、モバイルデバイスでも仕事をできるようにしてみてください。確実に生産性が向上します。

 IT以外の業界の場合、それが強みとなり、採用ブランディングにも有効でしょう。

 仕事柄、色々なサービスの使い方を説明するのですが、15分程度、画面を見せながら説明すれば、「使い方がわからない」という人も、たいていのサービスは使えるようになります。

 最近のクラウドサービスは、基本機能だけであれば使うのが簡単なのです。ぜひチャレンジしてみてください。