目次

  1. LPOとは? ランディングページ最適化
    1. SEO・EFOとは? LPOとの違いを紹介
    2. LPOはなぜ重要なの?
  2. LPOの実施手順5ステップ
    1. 手順①LPOツールを選定する
    2. 手順②LPOツールを使って現状と問題点を明確にする
    3. 手順③仮説を立てて対策を練る
    4. 手順④LPOツールを使って対策が有効か検証する
    5. 手順⑤仮説立て・対策案の検証を繰り返す
  3. LPOの成功事例
    1. 事例①申し込みボタンを立体的なものに変更
    2. 事例②MVをベネフィットをついたものに変更
  4. LPOで企業の風向きを変えよう

 LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)とはランディングページを工夫することで、収益アップに繋げることを指します。

 ではそもそも「ランディングページ」とは何でしょうか?実は「ランディングページ」には2つの意味があります。

 1つは、Webサイト訪問者が検索エンジンなどからリンクをクリックしたときに最初に表示されるページのことで「訪問者が着地するページ」という意味から来ています。

 訪問者は検索エンジンのみならず、他サイトのリンクや、ブックマークなど様々な入り口からサイトに入ってきます。そのためこの場合、トップページに限らずどのページでもランディングページになる可能性があります。

 もう1つは、インターネット広告をクリックしたときに開く縦長のページのことです。1ページで完結しているのが特徴で、公式ページから独立していることが多く、LPOではこちらが対象になるのが一般的です。

 このランディングページで、訪問者がほしい情報を簡単に入手できるようにしたり、最後まで読んでもらえるように工夫したりすることで、問い合わせや会員登録、商品購入など実際の収益に繋がる割合をアップできます。

 LPOと似ている言葉でSEOやEFOという言葉がありますが、どう違うのでしょうか?

 まずSEOは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジンの最適化を指します。検索エンジン、つまりGoogleやYahoo!での検索時に表示順位を上げるためにページを工夫することです。

 次にEFOとは「Entry Form Optimization」の略で申し込みや会員登録などの入力フォームの最適化のことを指します。せっかくいいページで訪問者が申し込みや会員登録をしようと思っても、入力フォームが複雑だと途中で辞めてしまう可能性があります。

 そのようなことを避けるために入力フォームを見やすく、入力しやすくするための工夫がEFOです。

 LPOはSEOやEFOよりも重要だと言われています。なぜかというとLPOが訪問者がリンクをクリックしたときに「最初に表示されるページ」だからです。

 最初のページが見づらかったり、その時点で興味が湧かないと訪問者はそれ以上読み進めてくれませんし、もちろん申し込みや会員登録もしてくれません。

 そのため、最初のページで訪問者にニーズに合うことを伝え、興味を持たせるようにするLPOは重要なのです。

 ここからは実際にLPOの実施手順を解説していきます。主な流れは下記のとおりです。

  1. LPOツールを選定する
  2. LPOツールを使って現状と問題点を明確にする
  3. 仮説を立てて対策を練る
  4. LPOツールを使って対策が有効か検証する
  5. 仮説立て・対策案の検証を繰り返す

 順にわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 LPOツールとは、その名の通りランディングページの最適化を手助けしてくれるツールです。 

 後ほどの手順で詳しくご紹介しますが、LPOでは、現状のLPOの分析と問題点の明確化、そこから立てた仮説にもとづく対策案の検証を行います。そのため、LPOツールを選ぶときは、次の2点に注目しましょう。

  1. どんなことが分析できるのか
  2. どんなテストが実施できるのか

 LPOツールを用いれば、訪問者の属性や行動履歴などが簡単に分析できます。

 また、問題点から立てた仮説が正しいかどうか、それにもとづく対策案が有効かどうかを検証するテストの実施もスムーズです。

 なお、テスト方法には、主に次のようなものがあります。

  • A/Bテスト
    LPを複数用意しランダムに表示させ、それぞれの効果を測定するテスト。訪問者の目的達成率が高いページの出現率を多くすることにより、更なる訪問者の獲得を目指す

  • 多変量テスト
    メインコピー、ビジュアル、レイアウトなど、LPを作り上げる様々な要素において、複数の案を用意して検証するテスト。数十〜数百万の組み合わせの中から最適な組み合わせを発見する

  • トータルエクスペリエンステスト
    ランディングページだけでなく複数のページにおける訪問者の体験を検証する実験ベースのテスト。「公式サイトを訪問する」「ランディングページに辿り着く」などのような一連の流れの中で、それぞれのステップで複数のパターンを用意し、どの組み合わせが最も効果が高いのかを検証する

 では、いくつかおすすめのLPOツールを紹介していきます。

おすすめのLPOツール①VWO

 VWO(Visual  Website Optimizer)は、株式会社アッションが提供しているLPOツールです。

 A/Bテストや多変量テストなど様々なテスト機能が充実しています。

 同一のURL上に見た目だけを変更したテストページを複数用意し、訪問者を均等に配分、どのページが最も申し込みや会員登録に繋げることができたのかを検証してくれます。

 また、ヒートマップ・クリアマップを表示することができ、訪問者がどこをクリックする傾向があるのかがわかります。訪問者の立場で様々な角度から分析することにより、より見やすく読み進めやすいランディングページを作ることができます。

ツール名 VWO(Visual  Website Optimizer)
提供会社 株式会社アッション
分析できる主なこと ・訪問者のクリックしやすい箇所
・訪問者のマウスの動き
・訪問者がどこで離脱しているか
実施できる主なテスト方法 ・ABテスト
・多変量テスト
その他の特徴 ・セグメント設定でユーザーのニーズに合った広告を出し分けることができる
・同一のURLでA/Bテスト実施が可能
おすすめの企業 ・ウェブに関するナレッジの少ない企業
・様々なテストを試したい企業
公式サイトURL https://www.assion.co.jp/lp/05b/

おすすめのLPOツール②Pt engine

 株式会社Pt mindが提供しているLPOツール、Pt engine。

 通常のアクセス解析だけでなく、サーモグラフィのように表示される「ヒートマップ」が大きな特徴です。

 サイト上のリンクのクリック数を計測できるツールはたくさんありますが、こちらのツールではリンクの有無に関係なく訪問者がタップした場所を集計してくれます。

 他にも「アテンションヒートマップ」という、訪問者がサイトのどの部分を見ていた時間が長いかを計測し、わかりやすく色付きで確認することもできます。

ツール名 Pt engine
提供会社 株式会社Pt mind
分析できる主なこと ・訪問者のクリックしやすい箇所
・特定箇所における訪問者の閲覧時間
・新規訪問者とそれ以外の閲覧場所の比較
実施できる主なテスト方法 ・ABテスト
・多変量テスト
その他の特徴 ・わかりやすい分析結果のレポート
・すぐに使用可能なテンプレートが豊富
おすすめの企業 ・広告運用のインハウス化を進めたい企業
・ウェブに関するナレッジの少ない企業
公式サイトURL https://www.ptengine.jp/

 LPOツールを選定したら、次にツールの分析機能を使って、現在のLPOの現状と問題点を明確にします。

 具体的には、以下を調査します。

  • どの広告が実際に収益に繋がっているのか
  • どのページから閲覧する人が多く、どのページで見るのを辞めてしまう人が多いのか
  • ページのどの部分で見るのを辞めてしまう人が多いのか
  • どのような検索ワードからランディングページに辿り着いているのか

 問題点が明確になったら、仮説を立て、それに対して何を変えたらいいのか対策案を考えていきます。具体例をご紹介します。

問題点 仮説 対策案
訪問者は多いが目的を果たすことができていない 訪問者のニーズとランディングページのコンテンツがあっていない 訪問者の立場になってニーズを再考し、ランディングページのコンテンツを変える
訪問者がスムーズに目的に辿り着けず離脱してしまう ・設定のミスがある
・説明がわかりにくい
・設定のミスをなくす
・ボタンのデザインやレイアウトを変更する
・説明文をがより簡潔なものにする
訪問者がすぐに見るのをやめてしまう ランディングページの最上部のデザインやキャッチコピーに問題がある ・第一印象をよくするために、訪問者の性別や年齢などをイメージしてデザインを決める
・続きを見たくなるような言い回しや表現を取り入れる

 立てた仮説が正しいかどうか、それにもとづいて出した対策案が有効かどうか、実際にLPOツールを使って検証をしましょう。

 なお、上述したようにテストにはいくつか種類がありますが、複数のテストを同時に行うと、その結果がどのテストによるものなのかがわからなくなる可能性があります。

 複数のテストを行う場合は時間をずらして行ったり、結果の計測を自動で行ってくれるLPOツールを使うことにより、どのパターンが成果につながったのか、明確にできるようにしておきましょう。

 LPOは1度の検証で大きな成果が出るとは限りません。

 ランディングページは仮説を立て、それにもとづいて出した対策案の検証を何度も繰り返し、少しずつ最適化していくものです。

 検証したデータは、訪問者がどのようにそのランディングページに辿り着き、ページの内容を読み込んだのかがわかる大事な指標です。

 仮説を立てる際には訪問者の立場で、どうしてそのようなデータになり、具体的にどう改善したらいいのかをイメージしてみましょう。

 それでは実際にLPOをしたことにより、目的を達成したり収益が上がった企業を紹介していきます。

 まず紹介するのは、プログラミングスクールを経営する企業です。

 こちらの企業はヒートマップツールで訪問者の離脱ポイントを計測したところ、申し込みボタンのクリック数が少なく、申し込みボタンの視認性に問題があると判断しました。

 そこで、ランディングページ内の申し込みボタンを立体感のあるデザインに変更したことで、申し込み率が3.7%改善されました。

 次に紹介するのはD2C系の企業で、こちらの企業はランディングページからの成約率の低さに悩んでいました。

 クリエイティブの反応はいいことから、ランディングページ内で訪問者のニーズにあったものが提示できていないことが問題だと判断しました。

 そこで顧客からの声を元に、理想の姿や理想の生活をイメージしたMVを作りテストを実施した結果、テスト実施前より成約率が2.7%改善されました。また顧客からの商品に対する信頼度が上がり、申し込み後のキャンセルや離脱も約5%改善されました。

 LPOは地道で細かい作業ですが、Webサイト訪問者の立場で考え、何度も仮説と検証を繰り返すことによって、ランディングページの目的達成率を徐々に上げることができます。また、それが企業自体の風向きを変えることにも繋がります。

 企業のサービス内容や商品自体には自信があるのにどこか伸び悩んでいる、そんな方は一度ランディングページに注目してみてはいかがでしょうか。