目次

  1. 「サッカー選手になりたい」と言って怒られる
  2. 海苔業界の課題を痛感
  3. 中国上海でおにぎり屋を出店
  4. 「おまえらなんていらない」社内が混乱
  5. 経営理念を錦の御旗に

ーー子供の頃に家業を意識されていましたか?

 物心ついた時から思いっきり意識していました。父親からは継ぎなさいと言われたことはありませんが、母方の祖父母からはことあるごとに「おまえは後継ぎなんだから」と刷り込まれていました。「大きくなったらサッカー選手になりたい」と言って怒られたこともあります(笑)。長男だったので、いわば、後を継ぐことは生まれる前から決まっていたような立場でした。そんなこともあり、小学校時代からクラス委員やサッカー部のキャプテンに積極的に立候補していました。

ーー大学を卒業後、東京三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行されます。これも後を継ぐことを意識されての選択でしょうか?

 ここは完全に考えてます。就職活動中、商売を学ぶなら商社、経営を学ぶならコンサル、お金のことを学ぶなら金融だと思って業界・企業研究をしていました。その時、あるOBから、「経営者にとって最も大事なことは、危機感を察知する嗅覚で、それは金融でしか学べない」と言われ、それが決め手となりました。

銀行員時代の山本貴大さん

ーー銀行ではどのような業務を担当されたのでしょう。

 最初に配属されたのは池袋支店で、法人営業担当です。お客様のお役に立てるにはどうしたらいいかをずっと考えて、経営者と直接話して、経営マインドに触れられたのは良かったです。そこで経営の一般的な常識を理解でき、山本海苔店を客観的に見ることができるようになりましたから。

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