目次

  1. 手土産向けに戦略をシフト
  2. 「若はわかってない」と反発も
  3. 一緒に冷や飯食べたメンバーが支えに
  4. 後継者が直面する構造的な難しさ
  5. 反発をやめたら起きた変化
  6. 飲食店を通じて海苔の魅力を広めたい

ーー2014年に専務取締役になって、社内の混乱をまとめるため理念を作りました(前編参照)。当時、会社の経営状態はいかがでしたか。

 実は取締役になって初めて決算書類を見たのですが、そこで「ぎゃー」と衝撃を受けました。元銀行マンとして見ると実質赤字。さらに中元歳暮の市場も縮小し続けており、5年後どうなっているかわからない。「これはヤバイ」と当時の取締役や父に言っても、何がヤバいのか分からないと、全然理解してもらえませんでした。

ーーそうした状況にどう対処されたのでしょうか。

 中元歳暮の市場は縮小していても、幸いなことに日本にはクリスマスやバレンタイン、ハロウィーン、父の日、母の日、敬老の日と様々な歳時記がある。日常の手土産として手にとってもらえるよう、戦略をがらっと変えていきました。

 中元歳暮は、5000円~1万5000円という価格帯がメインです。うちの看板商品である「梅の花」もここに含まれます。いっぽう、日常の手土産だとメインの価格帯は千円~2千円。そこでこの価格帯の商品を充実させていきました。

小分けで販売されている「梅の花」

 たとえば「梅の花」に入っている海苔を小分けにして1080円(税込み)で売るようにした。東京みやげとして手にとってもらえるよう、浮世絵をパッケージにあしらった「東京プレミアムおつまみ海苔」(税込み648円)といった商品も発売しました。

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