目次

  1. 職人気質の祖父「飲むな、手を出すな」
  2. 一般販売すればうまくいくのでは
  3. 3つの見直しで現場作業をスムーズに
  4. 商品名を刷新「MJシロップ」誕生
  5. SNSやテレビで話題に 1ヶ月半待ちの人気
  6. 設備増強や転売対策 1つずつ丁寧に

 森井食品は1934(昭和9)年、内山さんの曽祖父である森井英太郎さんが森井食品工業所として創業しました。当初は瓶入りのコーラやサイダー、ウーロン茶などを作っていましたが、大手飲料メーカーの参入で、安い清涼飲料水が出回るようになりました。このため次第に、ソーダや牛乳で割って飲む希釈用シロップの製造にシフトします。

JR天王寺駅から東へ約1.5キロの場所にある森井食品

 現在ではミックスジュースの原液のほか、ゆず蜂蜜、レモン、バナナ、エナジーなど、主に飲食店向けの希釈用シロップを製造・販売しています。2代目の森井源一さん(88)が社長を務め、従業員は6人です。

 内山恵文さんは兄とともに兵庫県で生まれ育ちました。父は会社員で、創業家出身の母が従業員として森井食品で働いていました。長期の休みになると兄とともに大阪に行き、森井食品の手伝いをしたといいます。

 「特に小学生時代の夏休みは、毎日のように商品のラベル貼りや箱詰めをしました。友達と遊びたいのに、どうして祖父の商売の手伝いをしなければならないんだろうと、子どもながらに疑問に思っていました」

 こうした経験から、森井食品を継ぐことはおろか、できれば関わりたくないと考えていたそうです。

会社の門の前で撮影した幼少期の内山さん(森井食品提供)

 祖父で現社長の源一さんとはどんな関係だったのでしょうか。

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