目次

  1. 自社のお菓子が仏壇に
  2. 渡米してミリタリーアカデミーへ
  3. 大学卒業後は香港で就職
  4. ロングセラーに育っていたたべっ子どうぶつ
  5. 1日に何度も焼き加減を調整
  6. 新たな看板商品作りに着手

 ギンビスは、1930年に宮本さんの祖父が東京都墨田区で創業した「宮本製菓」がルーツです。戦後、1945年に銀座へ拠点を移すとともに「銀座ベーカリー」に名称を変えると、「ギンビスコ」や「バターしるこ」が大ヒット。1974年、日本橋浜町に現在の本社ビルを建設し、社名も「銀座のビスケット」から着想した「ギンビス」に改称しました。

ギンビスの前身が運営していた銀座ベーカリーレストラン(ギンビス提供)

 宮本さんは、子どものころから自社のお菓子が身近だったといいます。

 「家族はみんなお菓子が好きで、自宅の仏壇のお供え物は、もっぱら『アスパラガス』でした。前社長の父が、試作品を持ち帰って食べさせてくれることもよくありました。アメリカの大学院を卒業した父は、年に数回海外出張をしており、私は父が出張先から送ってくれる絵はがきが楽しみでした」

 お菓子とスポーツが大好きな宮本さんは、中学卒業後に日本を離れました。

 「ニューヨークミリタリーアカデミーに入学しました。いわゆる陸軍士官学校です。父は、せめて日本の高校を卒業してほしいと思っていたようですが、私は早く外の世界を見てみたかったのです」

 最終的には宮本さんのお父さんも「せっかく海外で学ぶのなら、日本にない学校を」と背中を押してくれたといいます。中学で学んだ限りの英語力と、バレーボールなどのスポーツで培った体力を携え、単身で渡米しました。

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