目次

  1. ポンプ車で全国シェアの1割
  2. 採算性は年々厳しく
  3. 大幅な軽量化を実現
  4. 税理士法人出向で広がった視野
  5. 力不足に悔しい思い
  6. ハンズオン支援で招いた専門家

 吉谷機械製作所は、消防車の設計から製造まで手がける町工場です。ほかにも、消防ポンプなど消防に関するものづくりを幅広く担ってきました。

 主要顧客は消防署を管轄する各自治体の役所です。売り上げは年間17億円規模を誇り、従業員数は約80人にのぼります。

 売り上げの8割を占める消防車事業では、ポンプ車、工作車、水槽車など様々な種類を手がけており、年間約80台を製造しています。とりわけポンプ車市場では、吉谷機械製作所が全国4強の1社として全国シェアの1割を保持しています。

 吉谷さんは「ほとんどの案件を自治体の入札で獲得しています。一定の基準を満たした会社であれば誰でも参加できるため、全国の入札で勝ち抜くことで現在の市場シェアを築きました。利幅が限られていますが、お客様の要望に応える柔軟性が大切です。コストとニーズのはざまで試行錯誤してきました」と語ります。

 消防車事業の難しさは、法的基準の順守と顧客価値の最大化という二つの課題を同時に追求しなければならない点にあります。

 消防車の規格は消防法で定められている部分が多いものの、自治体ごとに価値観や重視するポイントが異なるため、入札ごとに細部の調整が必要です。

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