NTTの固定電話の通話料金、全国・全時間帯一律へ 終了するサービス一覧
NTT東日本とNTT西日本は2024年1月1日から固定電話のIP網へ段階的に移行し、距離や時間帯に応じて料金体系が異なっていた通話料金が、全国・全時間帯一律となります。固定電話から固定電話へは3分で9.35円です。また、多くの通話料金割引サービスが終了します。企業で多く使われてきたINSネットの「ディジタル通信モード」も段階的に終了しますが、切り替えが間に合わない企業に向けて補完策を提供する予定です。
NTT東日本とNTT西日本は2024年1月1日から固定電話のIP網へ段階的に移行し、距離や時間帯に応じて料金体系が異なっていた通話料金が、全国・全時間帯一律となります。固定電話から固定電話へは3分で9.35円です。また、多くの通話料金割引サービスが終了します。企業で多く使われてきたINSネットの「ディジタル通信モード」も段階的に終了しますが、切り替えが間に合わない企業に向けて補完策を提供する予定です。
目次
NTT東日本の公式サイトによると、固定電話発の通話は、2024年1月1日から、地域ごとにIP網へ移行を始めます。
後述のマイラインは、IP網への移行に合わせて地域ごとに段階的に終了した後に、新しい通話サービスに移行します。INSネット(ディジタル通信モード)は、地域ごとに段階的に終了した後、「切り替え後のINSネット上のデータ通信サービス(補完策)」に移行します。
こうした変更はあくまでNTT側の設備の変更であり、以下のように利用者側の設備を変更する必要はないため、悪質なセールスに注意するよう呼びかけています。
基本料(回線使⽤料)は、従来と同額です。
NTT東日本とNTT西日本の通話料は、IP網への移行後、全国・全時間帯一律が基本となります。まずは、固定電話発の通話料(税込)です。
従来 | IP網への移⾏後 | |
---|---|---|
固定電話着 | 昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別・県間通話未提供> | 9.35円/3分<全国⼀律・全時間帯> |
携帯電話着 | 17.6円/分 | 現状と同額 |
050IP電話着 | 11.55〜11.88円/3分<事業者別> | 11.55円/3分 |
続いて公衆電話発の通話料(税込)です。
従来 | IP網への移⾏後 | |
---|---|---|
固定電話着 | 昼間・夜間:56秒/10円〜8秒/10円、深夜・早朝:76秒/10円〜13.5秒/10円<距離段階・時間帯別> | 56秒/10円<全国⼀律・全時間帯> |
携帯電話着 | 15.5秒/10円 | 現状と同額 |
050IP電話着 | 17.0〜18.0秒/10円 | 18.0秒/10円 |
最後に着信課金電話サービス「フリーアクセス」発の通話料(税込)です。
従来 | IP網への移⾏後 | |
---|---|---|
固定電話着(県内) | 昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別> | 9.35円/3分 |
携帯電話着 | 昼間・夜間:62秒/11円〜9秒/11円、深夜・早朝:82秒/11円〜15秒/11円<距離段階・時間帯別> | 62秒/11円<全国⼀律・全時間帯> |
050IP電話着 | 15秒/11円〜16.5秒/11円<時間帯別> | 15秒/11円<全国⼀律・全時間帯> |
電話会社選択サービス「マイライン」・電話会社固定サービス「マイラインプラス」を、IP網への切り替えに合わせて地域ごとに段階的に終了します。
このほか、減少が今後見込まれる、またはIP網で提供が難しいとされる以下のサービスも終了します。
NTT東日本の公式サイトによると、INSネットの「ディジタル通信モード」とは、INSネットサービスの主にデータ伝送に特化した通信モードのことで、専用端末によるセンターとエンド間通信のことを指します。
次のようなサービスで使われている可能性があります。利用の有無を確認するには、NTT東日本・NTT西日本の請求書(料金内訳)に「INS通信料」の記載があるかを確認してみてください。
区分 | 利用用途 |
---|---|
POS(販売情報管理システム) | 企業の本部・店舗間のPOS端末通信 |
CCT/CAT(信用照会端末) | クレジットカード会社・店舗間のCAT端末通信 |
警備 | 利用者宅などから警備会社への監視映像通信 |
ラジオ放送 | 屋内外からの番組中継、他のラジオ局への番組素材配信、本社・送信所間の音声通信 |
企業の電子バンキング | 銀行・企業間の振込・口座照会 |
EDI(電子商取引) | メーカー・卸・小売間での商品受発注データ通信 |
ビル管理(エレベーター監視) | ビルなどの入口・エレベーターの監視映像送信・通報 |
G4FAX | 主にコンビニのマルチコピー複合機によるG4FAX |
銀行ATM | 銀行のセンター拠点・店舗ATM間のデータ通信のバックアップ |
企業内WAN(事業者の拠点間ネットワーク) | 企業内ネットワーク(WAN)でのデータ通信のバックアップ |
レセプトオンライン請求 | オンラインによる診療報酬等の請求データ(レセプトデータ)通信 |
INSネット(ディジタル通信モード)の提供終了までに別サービスへの移行が間に合わない利用者向けに「切り替え後のINSネット上のデータ通信」(補完策)を2027年ごろまでをめどに提供する予定です。
一方で、以下のサービスは継続予定です。
現状の通話料割引サービスの受け付けは終了し、2024年1月1日から割引の適用もなくなります。終了する個人向けサービスは次の通りです。
終了する法人向けサービスは次の通りです。
一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引
一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計が一定額以上(1万1000円以上)となった場合、県内通話料を割引(マイラインプラスの登録が必要)
同一事業所内で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引
INSネット1500利用者を対象として年間の市内(同一区域内)通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引
年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、事業者単位で県内通話料を割引
年間の県内市外通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、ユーザ単位で県内通話料を割引
定額料の支払で、INSネット1500を利用者を対象に、月間県内通話料33万円以上利用する場合、県内通話料を割引
あらかじめ利用者が指定した同一名義の回線グループにおいて年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引
電気通信事業者名義の回線を割引選択代表回線(ホスト回線)とし、ホスト回線と異なる名義の回線と共に回線グループを構成した場合に、その回線グループの県内通話料の合計額に応じてその通話料金を割引
学校に限定したサービスで、定額料の支払により、あらかじめ利用者が選択された同一区域内の1つの電話番号への通話・通信が一定額分まで利用できる割引
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