目次

  1. 固定電話のIP網への移行、いつから?
  2. 基本料金、従来と同額
  3. NTT東・西の通話料、全国・全時間帯一律へ
  4. IP網への移行後に提供を終了するサービス
  5. INSネット(ディジタル通信モード)は2027年ごろまで補完策
  6. IP網への移行後も提供を継続するサービス
  7. 通話料割引サービスは終了
    1. ワリマックス
    2. ワリマックス・プラス
    3. ワリビッグ
    4. プロフィッツ(東日本のみ)
    5. プロセレクト(東日本のみ)
    6. プロスペクト(東日本のみ)
    7. ワリエース(西日本のみ)
    8. プレミレート(西日本のみ)
    9. 県内異名義割引
    10. iスクール

 NTT東日本の公式サイトによると、固定電話発の通話は、2024年1月1日から、地域ごとにIP網へ移行を始めます。

 後述のマイラインは、IP網への移行に合わせて地域ごとに段階的に終了した後に、新しい通話サービスに移行します。INSネット(ディジタル通信モード)は、地域ごとに段階的に終了した後、「切り替え後のINSネット上のデータ通信サービス(補完策)」に移行します。

 こうした変更はあくまでNTT側の設備の変更であり、以下のように利用者側の設備を変更する必要はないため、悪質なセールスに注意するよう呼びかけています。

  1. 利用者の電話機の交換や回線の切り替え手続き・工事は不要
  2. 利用中の電話番号は変わらず、電話機もそのまま利用可能

 基本料(回線使⽤料)は、従来と同額です。

 NTT東日本とNTT西日本の通話料は、IP網への移行後、全国・全時間帯一律が基本となります。まずは、固定電話発の通話料(税込)です。

従来 IP網への移⾏後
固定電話着 昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別・県間通話未提供> 9.35円/3分<全国⼀律・全時間帯>
携帯電話着 17.6円/分 現状と同額
050IP電話着 11.55〜11.88円/3分<事業者別> 11.55円/3分

 続いて公衆電話発の通話料(税込)です。

従来 IP網への移⾏後
固定電話着 昼間・夜間:56秒/10円〜8秒/10円、深夜・早朝:76秒/10円〜13.5秒/10円<距離段階・時間帯別> 56秒/10円<全国⼀律・全時間帯>
携帯電話着 15.5秒/10円 現状と同額
050IP電話着 17.0〜18.0秒/10円 18.0秒/10円

 最後に着信課金電話サービス「フリーアクセス」発の通話料(税込)です。

従来 IP網への移⾏後
固定電話着(県内) 昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別> 9.35円/3分
携帯電話着 昼間・夜間:62秒/11円〜9秒/11円、深夜・早朝:82秒/11円〜15秒/11円<距離段階・時間帯別> 62秒/11円<全国⼀律・全時間帯>
050IP電話着 15秒/11円〜16.5秒/11円<時間帯別> 15秒/11円<全国⼀律・全時間帯>

 電話会社選択サービス「マイライン」・電話会社固定サービス「マイラインプラス」を、IP網への切り替えに合わせて地域ごとに段階的に終了します。

 このほか、減少が今後見込まれる、またはIP網で提供が難しいとされる以下のサービスも終了します。

  • INSネット(ディジタル通信モード)
  • ビル電話
  • 着信用電話
  • 支店代行電話
  • 有線放送電話接続電話
  • 短縮ダイヤル
  • キャッチホン・ディスプレイ
  • ナンバー・アナウンス
  • でんわばん
  • トーキー案内
  • 発着信専用機能
  • ノーリンギング通信
  • 二重番号サービス
  • トリオホン
  • なりわけサービス
  • 114(お話中調べ)
  • 空いたらお知らせ159
  • ナンバーお知らせ136

 NTT東日本の公式サイトによると、INSネットの「ディジタル通信モード」とは、INSネットサービスの主にデータ伝送に特化した通信モードのことで、専用端末によるセンターとエンド間通信のことを指します。

 次のようなサービスで使われている可能性があります。利用の有無を確認するには、NTT東日本・NTT西日本の請求書(料金内訳)に「INS通信料」の記載があるかを確認してみてください。

区分 利用用途
POS(販売情報管理システム) 企業の本部・店舗間のPOS端末通信
CCT/CAT(信用照会端末) クレジットカード会社・店舗間のCAT端末通信
警備 利用者宅などから警備会社への監視映像通信
ラジオ放送 屋内外からの番組中継、他のラジオ局への番組素材配信、本社・送信所間の音声通信
企業の電子バンキング 銀行・企業間の振込・口座照会
EDI(電子商取引) メーカー・卸・小売間での商品受発注データ通信
ビル管理(エレベーター監視) ビルなどの入口・エレベーターの監視映像送信・通報
G4FAX 主にコンビニのマルチコピー複合機によるG4FAX
銀行ATM 銀行のセンター拠点・店舗ATM間のデータ通信のバックアップ
企業内WAN(事業者の拠点間ネットワーク) 企業内ネットワーク(WAN)でのデータ通信のバックアップ
レセプトオンライン請求 オンラインによる診療報酬等の請求データ(レセプトデータ)通信

 INSネット(ディジタル通信モード)の提供終了までに別サービスへの移行が間に合わない利用者向けに「切り替え後のINSネット上のデータ通信」(補完策)を2027年ごろまでをめどに提供する予定です。

 一方で、以下のサービスは継続予定です。

  • 公衆電話
  • 110(警察)118(海上保安)119(消防)
  • 117(時報)
  • 177(天気予報)
  • 104(番号案内)
  • 115(電報)
  • ナンバー・ディスプレイ
  • ナンバー・リクエスト
  • 迷惑電話おことわりサービス
  • キャッチホン
  • ボイスワープ
  • ボイスワープセレクト
  • フリーアクセス
  • #ダイヤル
  • 代表取扱いサービス
  • ダイヤルイン
  • 硬貨収納等信号送出機能(ピンク電話)

 現状の通話料割引サービスの受け付けは終了し、2024年1月1日から割引の適用もなくなります。終了する個人向けサービスは次の通りです。

  • イチリッツ
  • スーパーケンタくん
  • ケンタくん
  • ケンタくん5
  • タイムプラス・INSタイムプラス
  • エリアプラス・INSエリアプラス
  • テレホーダイ・INSテレホーダイ
  • i・アイプラン

 終了する法人向けサービスは次の通りです。

 一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引

 一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計が一定額以上(1万1000円以上)となった場合、県内通話料を割引(マイラインプラスの登録が必要)

 同一事業所内で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引

 INSネット1500利用者を対象として年間の市内(同一区域内)通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引

 年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、事業者単位で県内通話料を割引

 年間の県内市外通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、ユーザ単位で県内通話料を割引

 定額料の支払で、INSネット1500を利用者を対象に、月間県内通話料33万円以上利用する場合、県内通話料を割引

 あらかじめ利用者が指定した同一名義の回線グループにおいて年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引

 電気通信事業者名義の回線を割引選択代表回線(ホスト回線)とし、ホスト回線と異なる名義の回線と共に回線グループを構成した場合に、その回線グループの県内通話料の合計額に応じてその通話料金を割引

 学校に限定したサービスで、定額料の支払により、あらかじめ利用者が選択された同一区域内の1つの電話番号への通話・通信が一定額分まで利用できる割引