目次

  1. クラフトビールブームで時流に乗る
  2. 「何やってるんだろう俺たち」から得た教訓
  3. 脱モノマネ、カギは「トレードオフとフィット感」
  4. 楽しんでいただくことだけを追求 売上もついてきた
  5. 顧客とつながる秘訣は楽しんでもらうこと

 ヤッホーブルーイングは1997年に、現星野リゾート代表の星野佳路氏によって創業されました。複雑な香りやコクが特徴の、エールビール専門のクラフトビールメーカーです。看板製品の「よなよなエール」はテレビやスーパーマーケットやコンビニエンスストアで 見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。

 よなよなエール は創業時から続くブランドで、今年で26年目になるといいます。

 「コンセプトは『家庭で飲める手頃な本格エールビール』、かつブランドキャラクターは『知的な変わり者』としています。ただの変わり者ではなく、ちょっと知的であること を大事にしているんですね」

 個性的でコクがあり、香りもある味わいは、発売当時から「とても斬新だ」と評価されたといいます。折しも、世の中には地ビールブームが到来。町おこしの要素とも相まって、テレビや新聞にも取り上げられ、売上を順調に伸ばしていきました。当時は営業職だったという井手さんが「営業なんていらないのでは」と思ったほど。

 ところが、地ビールブームの終焉とともに、よなよなエール にも暗雲が立ち込めます。

 「だいたい3年、早いと1年でしょうか。ブームというものは、来たら必ず終わるんです。途端に売り上げが下がっていっ たんです。うちだけじゃなくて、当時300社近く地ビール会社があったのですが、100社以上が倒産や事業撤退をするという、非常に大変な時代が長らく続きました」

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