目次

  1. コロナ禍でケータリングが消滅
  2. 加工品作りのため店舗を改装
  3. 人材育成のため協会を立ち上げ
  4. 著名アーティストの言葉が支えに

 2020年からのコロナ禍は、フタバフルーツをも直撃しました。対面のイベントが相次いで中止となり、売り上げの約7割を占めるケータリングの注文がなくなりました。しかし、成瀬さんに悲壮感はなかったと言います。

 「2006年の時に、捨て身のつもりで始めた仕事でしたから。コロナになっても、そうかまた元に戻ったのか、またもう一度捨て身になればいい、と思っただけでした。売り上げ拡大を追い求めなければ、幸い生活をすることはできました」

フタバフルーツの売り場

 とはいえ、以前のようにフルーツの魅力を外に伝える活動はできなくなりました。

 「ならばと、それまでに出会った方々に直接果物を届けることに専念しました。時間もたっぷりできたので、農家さんのところにお手伝いに行くなど、生産者ともしっかりコミュニケーションを図れるようになりました。ずっと突っ走ってきたので、改めてこの先どうしていこうかと考える、大事な時間になったと思います」

 コロナ禍での次の一手として、成瀬さんは店舗の一部を改装し、フルーツ加工用の機械を導入。アイスやゼリー、ドライフルーツなど、保存のきく加工品を作れるようにしました。これによって販売の間口が広がり、居酒屋への納入につながりました。「フタバフルーツのサワー」と商品名にもなり、宣伝効果もありました。

コロナ禍で店舗内に設けられた、ドライフルーツやアイスの加工スペース

 「お客さんに『今度は生のフルーツを食べてみよう』と思ってもらえるし、結果的に店舗にとってもプラスになりました」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。