目次

  1. 社員が自ら学びつづける組織へ
  2. 社員の未来に投資する「自己申告型報酬制度」
  3. 組織の仕組みを変えた6代目の覚悟
  4. 手放した人事評価と給与決定
  5. 覚悟の交換から新しい側島製罐へ
側島製罐の工場で缶をつくる作業

 カッシャン、カッシャン……。鋼板が機械を通るたびに切られ、曲げられ、缶へと姿を変えていき、小気味良い音が響く側島製罐の工場を2023年11月に訪れました。

 20年以上働いている製造現場のムードメーカー、永吉則久さん(36)は、後輩への接し方で悩んでいました。

 ある日の終業間際、缶をつくる機械が故障してしまいます。修理に取りかかると残業は確実。そんなとき、後輩から「残業したくないので、帰っていいですか?」と言われ、もやもやした気持ちを抱えたまま「いいよ」と返事をしてしまいます。

 修理の工程は、普段使っている機械の構造を把握し、仕事への理解を深めるチャンスなのですが、うまく言葉にできませんでした。

 もし、後輩に「修理に立ち会ったら、きっと機械のことをもっと学べると思うんだけど、どうかな?」と声をかけていれば、よい人材育成の機会を作れたのかもしれないとも考えています。そこで、今後、部下への接し方セミナーで学びたいと考えています。

 30年以上働き続けている物流担当のベテラン、安井幸男さん(54)も「デジタル関連の資格を取って、頭の方でも活躍したいです」と意欲を見せます。側島製罐ではデジタル化が進み、以前は手書きや口頭での指示も多かったのですが、いまはSlackなどを使っての情報共有も増えています。

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