目次

  1. 小さいころから受け継がれた哲学
  2. 野球での失敗と自信が原動力に
  3. NYとマーケ会社で積んだ経験
  4. 太陽光発電の売り上げを倍に
  5. 会員制度で広げた接点
  6. 数年かけて深めたコミュニケーション
  7. インフラ企業が果たすメディアの役割
  8. 商圏は広げるより「深掘る」

 NEXT・カワシマは1958年、川嶋さんの祖父が川島プロパンガス商会として創業し、地域でLPガス販売を手がけてきました。70年に川島プロパンとなり、94年に株式会社化。2008年には、太陽光発電システムの設計や施工、販売に着手し、翌09年にはリフォーム部門を独立させました。

 川嶋さんがUターンした後の17年に現社名となり、一般家庭向けの会員制度「らぽくらぶ」を立ち上げるなど、サービスの幅を広げています。

 従業員数は29人。​​ひたちなか市などを基点に半径30キロ圏内の6千世帯にガスを供給し、「らぽくらぶ」の会員は3千世帯に広がっています。川嶋さんは「提案から施工までワンストップで対応できるのが強み」と話します。

NEXT・カワシマは地域で長くガス供給を続けています

 「地元を大切に」という経営哲学は、川嶋さんが物心ついたころから受け継がれていました。当時は自宅と同じ敷地に本社があり、社員に遊んでもらうことも多く、社員旅行にも同行。地域から頼られる祖父や、仕事に打ち込む父の姿に「いつか自分が会社を継いで、祖父の夢である100年企業にしてみせる」という気持ちが芽生えました。

 川嶋さんが、小学生から大学まで打ち込んだのが野球です。「知っている人がいない土地に」とあえて関西の大学を選び、野球サークルに加入。主将に選ばれましたが、前主将と同じやり方でチームをまとめられず、仲間はどんどん練習に来なくなりました。

 悩んだ川嶋さんは、地域の20〜30の野球チームを見学させてもらい、一つの答えにたどり着きます。

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