目次

  1. 勤怠のアナログ管理は85%
  2. 事務作業は「2時間以上」が5割
  3. 経営者自らが情報を取る姿勢で
  4. 「人手不足で仕事を断ることもある」が69%
  5. 離職防止や人材獲得のポイント
    1. 育成の仕組みを充実させる
    2. 文系学生の採用
    3. 奨学金返済制度の活用
  6. 代替わりをきっかけに成長を

 クラフトバンク総研は内装工事会社を母体とした、建設DXのスタートアップ・クラフトバンクが運営しています。2024年7~8月に「建設業の2024年問題に関する動向調査」と題し、社員数5~100人の建設工事会社を対象にインターネットで調査。1488件(経営者463、職人514、事務員511)の有効回答を得ました。

 まず、2024年問題への対策状況を聞いたところ、74%が「未対策」と回答しました。2023年の調査より9ポイント改善したものの、依然として4分の3近くを占めています。未対策の内訳も「対策しようとしている」(25%)、「対策予定なし」(25%)、「知らない」(24%)という回答でした。上限規制が厳格化された後も、対策の機運は高まらない現実が浮き彫りとなっています。

髙木健次さん(クラフトバンク総研所長) 福岡県生まれ。認定事業再生士(CTP)。京都大学在学中に家業(建設業)の倒産を経験した後、ファンドマネージャーとして計12年、製造業、建設業などの中堅・中小企業の事業再生・承継に従事。東日本大震災の被害を受けた東北の企業の支援も経験。現在はクラフトバンク総研の所長を務め、業界紙での連載を担当するほか、建設業経営者の方の相談にもSNSを通じて応じている
髙木健次さん(クラフトバンク総研所長) 福岡県生まれ。認定事業再生士(CTP)。京都大学在学中に家業(建設業)の倒産を経験した後、ファンドマネージャーとして計12年、製造業、建設業などの中堅・中小企業の事業再生・承継に従事。東日本大震災の被害を受けた東北の企業の支援も経験。現在はクラフトバンク総研の所長を務め、業界紙での連載を担当するほか、建設業経営者の方の相談にもSNSを通じて応じている

 髙木さんは「時間外労働の規制以前に、そもそもきちんと勤怠管理ができていないことが問題です」と指摘します。

出典はすべて「建設業の2024年問題に関する動向調査:2024年版(クラフトバンク総研)」
出典はすべて「建設業の2024年問題に関する動向調査:2024年版(クラフトバンク総研)」

 調査によると、勤怠をアナログな方法で管理している企業が85%にのぼりました。その内訳は、手書きの日報(36%)、タイムカード(35%)、エクセル(14%)でした。また、工事の日程や工程管理の方法についてもアナログ管理が56%(ホワイトボード34%、紙22%)という結果になりました。

 2019年の改正安全衛生規則では、労働時間の状況を客観的な方法で把握する義務が企業に課されています。髙木さんは「手書きやエクセルの管理では、法的に適切な方法ではないと指摘されるリスクがあります」と強調します。

 では、経営へのリスクが増していながら、2024年問題への対策が進まない背景とは、どのようなものなのでしょうか。

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