目次

  1. シャトレーゼとは
  2. 公取委が下請法違反と認定した事実
  3. シャトレーゼ「再発防止策を導入」

 シャトレーゼの公式サイトによると、⿑藤寛氏が20歳のときに、今川焼き風のお菓子「甘太郎」の店舗を山梨県甲府市(旧紅梅町)に出店・創業したのがシャトレーゼのはじまりです。

 1964年、山梨県甲州市(旧勝沼町)に「大和アイス」を設立。 アイスクリーム業界に参入すると共に、後の主力商品となるシュークリームの研究開発が始まりました。その3年後に「大和アイス」と「甘太郎」を合併して「シャトレーゼ」が誕生しました。

 ⿑藤氏は2008年、シャトレーゼ会長に就任。2010年にホテルやゴルフ場、ワイナリーなどグループ事業を統括する持ち株会社シャトレーゼホールディングスを設立。同時に新設分割会社として「シャトレーゼ」を設立しました。

 シャトレーゼは海外店舗数も着実に増やし、2024年1月には国内、海外合わせて合計で1000店舗(国内820店舗、海外180店舗)に到達しました。

 公取委のプレスリリースによると、シャトレーゼは、自社の店舗等で販売する洋菓子等の包装資材や香料の製造を委託している下請事業者に対し、商品を納入することができる状態にする期日を仕上日として定め、仕上日以降、必要に応じて下請事業者に対し納入を指示することにより、下請事業者の給付を受領する方法を採っていました。

 しかし、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、仕上日を経過しているにもかかわらず、商品を受領せず、さらに無償で保管させていたといいます。

 公取委はこうした行為が下請法違反にあたると認定し、再発防止を勧告しました。

 シャトレーゼは、公式サイトで、こうした行為の背景として「下請事業者と協議して決める年間発注計画表に基づき発行される仕掛依頼書につき、本来あるべき運用がなされていなかったことによります。仕掛依頼書は本来製造のリードタイムが長い商品について余裕をもったお取引ができるよう使用見込み情報の共有をする書類でしたが、実質的には納期までの製造を依頼する『発注書』として扱われており、その後発行される『発注書』は『出荷依頼』に相当する役割を果たしておりました」と説明しています。

 そのうえで今後については「すでに社内調査を実施し、問題点の是正および再発防止策の導入を行っております。具体的には、下請事業者様に対する仕掛依頼を廃止し、発注依頼とすることにより、当該発注時に依頼した納期にすべて受け取る運用への切り替えを実施いたしました」というように取り組んでいることを明らかにしました。