目次

  1. 電子渡航認証システムとは ETSAなど
  2. 電子渡航認証システムの「代行サイト」の問題点
  3. 国民生活センターが紹介する公式サイト一覧

 日本の出入国在留管理庁の公式サイトなどによると、ESTA(Electronic System for Travel Authorization)は、アメリカが導入した電子渡航認証システムの名称であり、国内に渡航しようとする外国人に、身分事項、渡航目的、国内での活動内容等をインターネット上で申告させ、渡航認証を行うシステムです。

 日本国籍者はアメリカのビザ免除プログラムの対象のため、アメリカに短期商用・観光等の90日以内の滞在目的で旅行する場合(乗り継ぎ含む)、条件を満たしていれば、査証(ビザ)は免除されますが、アメリカ行きの航空機や船に搭乗する前にオンラインで渡航認証を受ける必要があります。

 アメリカ政府の場合、2022年5月26日以降、ESTA申請時には、一人当たり21米ドルを課しています。ESTAの申請は渡米日の72時間以上前までに申請することが推奨されており、事前にESTAの認証を取得していない場合、航空機等への搭乗や入国を拒否される場合があります。

 電子渡航認証システムは、オーストラリア(ETA)、カナダ(eTA)、韓国(K-ETA:2025年は一時的に日本人の適用免除)、イギリス(ETA)でも同様のシステムが導入されているほか、EUも、2025年から段階的に欧州渡航情報認証制度(ETIAS)の導入が予定されています。

 しかし、申請を巡るトラブルが急増しており、国民生活センターが消費者に対し注意を呼びかけています。特に目立つのが、代行サイト関連の相談です。

 電子渡航認証システムは、各国の公式ウェブサイトから個人で申請でき、申請手順も比較的簡単です。公式な申請料金は比較的安価、あるいは無料の場合もあります。

 しかし、一部の「代行サイト」は、あたかも公式機関であるかのように見せかけ、消費者に高額な手数料を請求し、本人が容易に行える申請手続きを代行するとして不必要なサービスを提供しています。代行サイトは公式な機関ではないにもかかわらず、高額な手数料を支払う必要が生じる点が問題視されています。

 国民生活センターの集計によると、これら電子渡航認証の代行サイトに関するPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に登録された相談件数は増える傾向にあります。

• 2021年:78件
• 2022年:384件
• 2023年:1022件
• 2024年:1022件
• 2025年(6月30日まで):354件

 具体的なトラブルの内容としては、以下のようなケースが挙げられます。

• 公式手続きの数倍もの高額な手数料の請求
• 申請書類の翻訳、申請状況の確認サービスなど不必要なサービスへの課金
• 高額な費用を支払ったにもかかわらず、認証が得られなかったり、申請自体が完了していなかったりするケースも
• 確認メールの不着

 こうした状況を受け、国民生活センターは、必ず各国政府の公式ウェブサイトを確認するよう呼び掛けています。

アメリカ合衆国(U.S. Customs and Border Protection): ESTA
イギリス(GOV.UK):ETA
オーストラリア(Australian Government Department of Home Affairs): ETA
カナダ(Government of Canada): eTA
大韓民国(Korea’s e-government):K-ETA