いま話題のRPAとは?基本から導入のコツまで業務効率化の専門家が解説
働き方改革でも注目されるRPAとはどんな技術でしょうか。その基本から導入のメリット、導入までのステップと注意すべきポイントを解説します。また、中小企業におすすめのRPAツールについて、業務効率化の経験豊富なRPAコンサルタントの立場から解説します。
働き方改革でも注目されるRPAとはどんな技術でしょうか。その基本から導入のメリット、導入までのステップと注意すべきポイントを解説します。また、中小企業におすすめのRPAツールについて、業務効率化の経験豊富なRPAコンサルタントの立場から解説します。
目次
RPAとは「Robotic Process Automation」の略です。直訳すると「ロボットによる業務の自動化」という意味となり、PC上の単純作業を人間の代わりに行ってくれるツールや概念のことを指します。
日本では2016年後半ごろから少しずつ注目を集め、矢野経済研究所の調査によると、2020年度では729億円の市場規模と予測されており、導入企業数も年々拡大しています。
私の会社でも2019年の開業以来、RPA開発に関するご相談は増え続けています。
また、24時間働き続けられるデジタルレイバー(ソフトウェアロボット)を使用するRPAは、政府が主導する働き方改革でも注目されています。生産年齢人口の減少が著しい日本国内で人材不足を補う手段の一つとして期待されています。
RPAを導入することによる主なメリット3つについて解説します。
RPAを導入することで、それまで手作業でやっていた業務を高速で処理することが可能になります。
データの転記や定型的な入力作業など単純だけど時間のかかる作業をRPAで行うことで業務の効率化を行い、より生産性の高い業務に時間を使うことができるようになります。
また、導入の過程で業務内容やフローの確認を行う必要があるため、従来の業務の見直しを行うきっかけにもなります。
人の手で作業を行うとヒューマンエラーは避けられません。特に長時間の作業を行う時などは集中力が続かない場合も多く、入力漏れや操作ミスなどがどうしても発生してしまいます。
RPAはあらかじめ設定したシナリオ通りに淡々と作業を行うため、ヒューマンエラーがなくなり作業の精度が向上します。
RPAで業務の効率化を行うことでコストの削減にもつながります。単純だけど労働力が必要な作業にRPAを導入することで人件費を大幅に削減することが可能です。
単純作業はRPAに任せて社員をより付加価値の高い業務に配置することは、人材不足の解消にもつながります。
RPAの導入を検討する前に、まず事前に確認しておきたい重要なポイントがあります。このポイントを押さえてから、導入のステップに進むことをおすすめします。
RPAは魔法のツールではなく、自動化できる業務と自動化が難しい業務が存在します。RPAの導入効果は、自動化できる業務が多いかどうかによって左右されます。
RPAが得意とする業務は「一定の手順があり人の判断が不要なもの」や「繰り返し大量の処理を行うもの」です。
例えば、見積書や請求書の作成、定型メールでの問い合わせ対応、経理システムへの入力作業、サイトからのデータ収集と加工など、定期的に行う定型業務が自動化に向いています。
逆に「例外処理の多い業務」や「ルールが複雑で変わりやすい業務」、「物理的な動作が必要な業務」など、人の判断や物理的な作業が必要となる業務はRPAには向いていません。
RPAはあくまでツールであり導入自体が目的にならないよう、RPA導入が適切かどうか慎重に検討することが重要です。
RPAの導入で、業務の効率化や自動化ができると判断できれば、導入に着手しましょう。
まず、RPA導入を推進する担当者やチームを決めます。
RPAの導入は部署を横断して行うことが多いため、導入推進の中心となる担当者を決めて情報の交通整理ができるようにしておく必要があります。
この担当者に求めたい資質として、ITリテラシーの高さはもちろんですが、社内の業務に精通し、RPA導入の効果を全体的な視点で考えられる視野の広さ、また各部門の担当者が相談をしやすいコミュニケーションスキルの高さも必要です。
特に質問や相談のしやすい雰囲気は、全社にRPAが浸透していくかどうかの鍵となるため、大切にしたいポイントです。
次に自動化の対象となりそうな業務を棚卸します。業務を洗い出して全体の流れを可視化することで、非効率な業務や業務負担の偏りなどを発見する良い機会にもなります。
業務の棚卸しが終わったら、RPA化する業務を決めていきます。先述したようにRPAに向いている業務と向いていない業務があるので、そこをポイントに選別します。
ステップ2で選別した業務の自動化が可能なRPAツールの候補を決めます。下記のようなポイントを参考に、複合的な視点から自社のRPA導入の目的に沿ったRPAツールをいくつか選定していきます。
RPAツールを選定したら、対象を絞ってスモールスタートでテスト導入します。
ここで重要なのは、自社業務との相性確認です。できると想定していた作業でもロボットが思うように動かず実現できないということも現場ではよく起こります。
自社の業務との相性が良いか確認の上、導入コストや運用コストも考慮して最終的に導入するRPAツールを決定します。
最終的に導入するRPAツールを決定したら、自動化の対象範囲を少しずつ拡大し本格的に導入していきます。
社内での利用を活性化するためには、ロボットを作成するための申請方法や、ロボットの開発やメンテナンスを行う社員の資格制度、エラーが起こった際の対処方法など、社内の運用ルールを明確にしておくことが重要です。
また、継続的な教育環境を整え、社員のスキルアップを促すこともRPAの利用を促進する効果があります。
RPAツールを選定するにはその種類と特徴を知っておく必要があります。
現在のRPAツールの種類は大きく3種類に分類されます。
中小企業にオススメのツールを紹介します。
導入するRPAツールを決める際には、希望の業務の自動化が実現できるかどうか、費用が予算に合っているか、導入後に運用を続けやすい環境かどうか、この三点が特に重視したいポイントとなります。
また、開発やシナリオ作成のサポートをしてくれる導入支援サービスや、ユーザー向けのスキルアップ講座の開催など、各社がそれぞれサポートサービスを提供しています。
このようなサポート体制の充実度も、ロボットの開発や運用を行っていく際の安心感につながります。
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