目次

  1. RPAとは
  2. RPAツールとは
  3. 無料RPAツールの特徴やメリット・デメリット
    1. 無料RPAツールのメリット
    2. 無料RPAツールのデメリット
  4. 無料RPAツール比較4選
    1. UiPath Community Edition(UiPath Automation Cloud)
    2. Microsoft Power Automate Desktop 
    3. Automation Anywhere Community Edition
    4. マクロマン
  5. 有料のRPAツールを使用したほうが良いケース
    1. 自動化の規模が大きくなる場合
    2. 公式のサポートが必要な場合
  6. どのツールを使うかよりどうやって開発するかが大事

 RPAは”ロボットによる業務の自動化”という意味で作られた造語であり概念です。しかし、一般的にはWinActorやUiPathなどのRPAツールと呼ばれる業務自動化ツール群のことを指すケースが多いです。

 昨今、業務の自動化のためにRPAにの導入を検討する企業が増えてきました。RPAエンジニアである私宛てにも開発やサポート依頼が増えており、その注目度の高さを感じます。

 RPAツールは前述のWinActorやUiPathなどがそれに当たります。

 RPAツールは一般的に個人レベルの定型的な業務を自動化するのに向いていますが、製作者のレベルによってはそれを越えた自動化が可能です。

 RPAの中には無料で使用できるものがあります。完全無料で使用できるもののほか、試用期間が設けられているツールもあります。

 試用期間が設けられているツールはお試し版であり、期間が終わればツールの購入やサブスク契約を行わないと使用できなくなります。

 一方、完全無料で使用できるツールは試用期間なく無料で使用できます。ただしCommunity Editionとして事業規模により制限がかけられているものがあります。

 無料RPAツールのメリットは、主に次の2つがあります。

1.RPAがどんなものか確かめることができる

 無料RPAツールのメリットは無料で使用できることです。

 RPAの名前は聞いたことがあり、営業を受けたこともあり、上司に求められているとしても実際に使用してみないことにはその使用感は分かりません。

 そのため無料ツールの活用は、現実的で良い手段だと言えます。

2.人材の確保、サポート体制に予算を使用できる

 ツールを無料で使用できることで開発やサポート・教育への予算を割きやすくなり、より良い自動化が実現できます。

 有料版の価格はツールによってまちまちですが、1台につき年間100万円~かかります。その分を使用できると考えて差し支えありません。

 無料RPAツールのデメリットには、次の3つがあげられるでしょう。

1.事業規模によっては使用できないか、試用期間や制限が設けられている

 無料のRPAツールの多くは、利用条件や利用制限が設けられています。使用する場合は、事前に利用可能範囲を確認する必要があります。

2.公式サポートが受けられない

 基本的に、無料版は公式の電話・メールのサポートを受けることができません。また、ツールによっては使用方法の情報が少ないものもあります。

 そのため自社で推進していく場合は、ツールを理解し開発していく人材、ノウハウが必要になります。無料だからと侮らず、開発体制まで考えて導入しましょう。

3.サーバー上(クラウド含む)での管理ができない

 無料RPAツールの場合、「たくさん作ったロボットをバックグラウンドで実行する」「スケジュール実行をする」といった機能が提供されません。

これらの機能を希望している場合は、有料版への切り替えをおすすめします。

 以上の点を踏まえて、導入前に押さえておきたい無料ツールを4つご紹介します。無料と言えど有料版と同様に使用できるため、比較検討してください。

 ※試用期間のあるツールは実質有料版と変わらないため、今回は割愛します。

 UiPath Community Edition(UiPath Automation Cloud)は、一番おすすめの無料RPAツールです。

UiPath Community Editionの特徴

 使用者が多くナレッジや人材が豊富に存在することと、ツール自体の改善が頻繁にされており、常に向上している点が特におすすめする理由です。

 デメリットの3つ目で述べたサーバーによる管理も、機能制限があるものの無料の範囲内で多少使用できます。

 ツール自体の機能は有料版と変わりませんが、有料版は以下の点で違いがあります。

  1. アプリケーションのバージョン管理が可能(無料版は強制的に最新版にアップデートされる)
  2. サーバー上の管理や、バックグラウンドによる実行が可能
  3. UiPathサポートへの問い合わせが可能

 注意点として、UiPath Community Editionでは、無料提供範囲が決められています。

 「個人ユーザー」もしくは「250台未満の物理or仮想PCを利用し、500万米ドル(日本円で約5億4千万)以下の年間売り上げの企業」のいずれかに該当しなければ、無料かつ無期限で利用することはできません。

 UiPathはツールのクオリティも高く、小規模から大規模まですべての企業に向いており、手軽な自動化から複雑な自動化まで幅広くこなせます。

 ※2020年からUiPath Community Edition はUiPath Automation Cloudの登録後、Studioと呼ばれるアプリケーションをダウンロードする形となりました。UiPath Automation Cloudの説明は割愛しますが、混乱しないようご注意ください。

 Microsoft Power Automate Desktopは2021年3月よりWin10対象で無料提供されるようになったMicrosoft社提供のRPAツールです。

Microsoft Power Automate Desktopの特徴

 元々はWin Automationと呼ばれるRPAツールでしたがMicrosoft社が買収し、カスタマイズし提供しています。

 UiPathや後術のAutomation Anywhereと比較し、自動化の操作はより簡単ですが利用者とナレッジの数は劣っています。

 しかし、Microsoft Power Automate Desktopのナレッジは現在増加しており、使用者も今後さらに増加するとみられています。

 有料版は以下の点が違います。

  1. サーバー上での一括管理、スケジュール実行やバックグラウンド実行が可能
  2. AI Builder との連携、400種類のクラウドサービスとの連携が可能
  3. Microsoftサポートへの問い合わせが可能

 ※バックグラウンド実行やAI Builder との連携には有料版の契約とは別途料金がかかります。

 無料提供の範囲はお持ちのMicrosoftアカウントの種類によって決められています。条件は「個人のアカウント」か「会社や学校で契約しているMicrosoft 365(Office 365)のユーザーアカウント」です。

 Microsoft Power Automate Desktopは小規模の自動化に向いており、手軽な自動化であればUiPathよりも簡単に可能です。

 Automation Anywhere Community EditionはAutomation Anywhere社より提供されているRPAツールのA2019というバージョンの無料版です。使用できる範囲は現時点でUiPathと同じです。

Automation Anywhere Community Editionの特徴

 大きな特徴としてA2019はブラウザ上で開発します。Bot Agentと呼ばれるアプリケーションをインストールし、A2019のユーザーとPCのログインユーザーを紐づけたうえでA2019と連携してデスクトップ上の自動化をします。

 そのため、どこからでも自動化のシナリオを作れるようになり、同時に自動化用のPCも比較的簡単に切り替えられます。これがA2019の一番の特徴です。

 注意点としては、サーバー上で一括管理ができない点と、バックグラウンド実行ができない点です。

 開発もbot管理もブラウザ上のマイページから行いますが、他ツール同様一元管理はできず、あくまでも個人での使用・管理の範囲にとどまっています。

 使い勝手も良く、UiPath同様に世界中にユーザーがいるためナレッジと人材が豊富です。公式サイトのe-learningも充実しており、自動化を進める土壌が整っているツールであると言えます。

 ツール自体の機能は有料版と変わりませんが、有料版は以下の点で違いがあります。

  1. サーバー上での一括管理、スケジュール実行やバックグラウンド実行が可能
  2. サポートへの問い合わせが可能

 マクロマンはコクーより提供されている国産RPAツールです。他とは違い制限なしですべての機能を完全無料で使用できます。

マクロマンの特徴

 ただし、元々サーバー管理機能やAIとの連携といった機能は実装されていません。他ツールと違い、利用者の数とそれに伴うナレッジの数は少なく、公式のマニュアルやユーザーフォーラムを活用して開発していくことになります。

 小規模事業者や個人に向いていますが、e-learningが無いため、前述のサポートを活用しながら自力で開発していく必要もあります。

 公式よりRPA女子というサポートサービスが提供されているので、それを活用するのもいいでしょう。

 ここまで無料のRPAツールをご紹介しましたが、では有料のツールを使用したほうが良いのはどういったケースでしょうか。

 これが一番大事です。Community Editionは、無料で制限なく自動化できるため、有料版が必要ないように思われます。

 しかし、現実的にはロボットの数が20を超えてくる辺りからロボット管理の問題に直面し、有料版の必要性を感じることになります。

 デスクトップ上でロボットが実行されるタイプのRPAは、PCの環境に依存しているためエラーが発生しやすく、保守運用・管理の問題が発生しがちです。

 そのため、実行時間やエラー状況などをWEB上から監視できるツールを導入したり、環境が同一でスペックも安定しているサーバー上で稼働させるような手段を、検討していかなければなりません。

 20程度のロボットでもそういった問題に直面するので、その規模以上の自動化を想定されているのであれば有料版=管理ツールを活用する形を見据える必要があります。

 導入初期は無料版を使用して一部のみ導入し、それが上手くいって広く展開するタイミングで管理ツール・有料版を契約するというのも良いかもしれません。

 RPAツールは他のシステムやPC環境に依存するため、多くの課題に直面します。

 ツールの操作方法等、基本的な課題であればユーザーフォーラムで解決できます。しかし、企業のPC環境・使用しているシステムに依存した個別かつ専門的な課題は、ユーザーフォーラムだけではなかなか解決しません。

 その点、公式のサポートはツールの仕組みについて熟知しているため、“自社の環境で起きた課題”を解決するための方法を聞くことが可能です。

 RPAに熟知した人材を用意することが難しく、トラブルを迅速に解決する自信がない……という場合は、手厚いサポートが得られる有料版を使って、自動化を進めていきましょう。

 無料のRPAツールを紹介してきましたが、重要なことは、どのツールを使うかよりもどうやって開発するかです。

 自分たちで開発するのか、他社にお願いするのか、どうやって推進していくのかなどをしっかり検討した上で、RPAを活用していきましょう。